2006年10月18日(水)「しんぶん赤旗」

日本被団協が50年式典

被爆者運動の役割 語り合う


 ことし結成五十周年を迎えた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)は十七日夜、東京都内で記念式典と祝賀会を開きました。「再び被爆者をつくるな」と世界中に訴えてきた半世紀の歩みを振り返り、決意を語り合いました。

 祝賀会には、各界から二百人が参加。広島で被爆したピアノの演奏後、坪井直代表委員は「核兵器廃絶と国家補償による被爆者援護という被爆者の初心の実現めざし、頑張っていこう」と呼びかけました。

 各党代表が登壇。日本共産党から市田忠義書記局長、笠井亮衆院議員らが出席しました。市田氏は、北朝鮮の核実験に対し、政府・自民党の一部から核武装論まで公言されていることを批判しました。「報復でなく、被爆の惨禍を繰り返させない」と自らのつらい体験を語ってきた被爆者の運動が、「核兵器のない世界」「紛争の平和的解決」という流れへ世界を大きく動かしているとあいさつしました。

 祝賀会に先立つ記念式典では、藤平典代表委員が「私たちの体験をとおして人類の危機を救おう」(結成大会宣言)と五十年間、数々の困難を克服してきた被団協の歴史を語りました。

 半世紀前の第一、二回原水爆禁止世界大会で声をつまらせながら訴えた被爆者の当時のテープが流され、目頭をおさえる人の姿が目立ちました。

 支援の団体・個人に感謝状を贈呈。功労者として表彰された被爆者の一人、静岡の杉山秀夫さん(83)は車いすで登壇し、「ことし三回の手術を受けました。しかし、命のある限りたたかい続けます」と声をふりしぼりました。杉山さんは入院中も看護師に署名を訴えてきました。

 立命館大学平和ミュージアムの安斎育郎館長が記念講演しました。「子どもたち、孫たちに、核兵器も戦争もない世界を譲り渡す」との結成五十周年に当たっての宣言を拍手で採択しました。


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