2006年10月14日(土)「しんぶん赤旗」

実験段階の米軍残虐兵器

イスラエル軍が使用か

ガザで7月発覚 伊国営放送報道


 【パリ=浅田信幸】イスラエル軍がレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラと戦火を交えていた時期に、同軍がパレスチナのガザ地区で、実験段階にある米国製の新兵器DIMEを使用した疑いが濃厚になっています。イタリア国営放送RAIニュース24が十日、ドキュメンタリーで報じ、反響を広げています。

 RAIによる調査は七月半ば、ガザの病院医師の訴えから始まりました。少なくとも六十二例で、足が切断された状態で病院に運び込まれるという、これまでの兵器からは「説明のつかない」傷害が発端でした。

 シュハダ・アルアクサ病院のワヒド医師は、足の切断が「まるでのこぎりで切ったように骨まで切断されていた」と語っています。切断された部分はやけどの跡があり、生存者の場合は病院に運び込まれた時点で出血していませんでした。まるで被害現場から病院までの三十分足らずの間に出血が止まるよう工夫された兵器のようだとも指摘しています。

 もう一つ医師たちを不思議がらせたのは、切断部分から金属片が見つからなかったこと。傷害部位から摘出されたのは、粉末状の塊でした。

 化学的検査を実施した北イタリアのフェラーラ大学のバカロ博士は、この粉末状物質が「非常に高密度な炭素」であることを突き止め、合わせてタングステンなどの物質を検出しました。これが米空軍の兵器開発ホームページに紹介されている実験段階のDIMEと呼ばれる新兵器ではないかとの疑いを強めました。

 DIMEは破壊力を強める一方、爆発の被害をせいぜい数メートルの範囲にとどめるために工夫された兵器です。

 残虐兵器使用の疑惑は人道支援団体などが提起してきました。イスラエルは「国際条約で禁じられた兵器は使用していない」と主張しています。


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