2006年10月9日(月)「しんぶん赤旗」

東京大空襲・重慶大爆撃

体験者ら中国で交流


 【重慶=菊池敏也】東京大空襲(一九四五年三月十日)を体験した市民らが七日、中国重慶市を訪問し、重慶大爆撃対日民間賠償請求訴訟原告団と交流しました。

 重慶市を訪問したのは、日本政府を相手どった集団訴訟の準備を進めている東京空襲遺族会の関係者や弁護士ら約二十人。戦争体験を受け継ぐ青年のグループも参加しました。一行は大爆撃による惨劇が起きた現場で花輪をささげた後、重慶大爆撃訴訟原告団の事務所を訪れ、中国側の原告、弁護士、研究者ら約二十人と交流しました。

 日本側を代表して中山武敏弁護士があいさつ。米軍の約二時間の空襲で十万人の命が失われた東京大空襲の被害を写真を示して説明しました。「日本政府に戦争を起こした責任を認めさせ、戦後補償をさせることが、次の戦争を防ぐことになり、日本と中国の友好を発展させていくことにもなる」と強調しました。

 重慶側原告団の鄭友預秘書長が、数年前の原告団結成から今年三月の提訴にいたる経過を紹介。鄭氏は対日訴訟の目的を「真相、正義、賠償、平和」の八文字で概括し、「日本政府は歴史を直視し、中国とアジアに被害を与えた戦争を反省しなければならない」と強調しました。

 西南大学の牟之先教授は重慶大爆撃の特徴と被害の実態にふれ、三八年二月から四三年八月の間に、国民政府の臨時首都の重慶に、のべ一万一千の日本軍機が無差別爆撃を行い、六万一千三百人の死傷者を出したことなどを説明しました。原告団の林剛弁護士は、重慶と東京の大空襲は「ともに一般市民を傷つける国際法違反の空爆だった」と指摘しました。


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