2006年10月4日(水)「しんぶん赤旗」

偽装請負

初の事業停止命令

大阪労働局 クリスタル系会社に


 実態は労働者派遣なのに、請負契約を装う違法な「偽装請負」を繰り返していたとして、大阪労働局は三日、製造請負大手の「コラボレート」(大阪市北区)に対し、労働者派遣法に基づく事業の停止命令と事業改善命令を出しました。偽装請負で事業停止命令は初めて。厚生労働省は九月、監督指導の強化を労働局に通知していました。

 停止期間は兵庫県姫路営業所が一カ月、他の八十三営業所は二週間。ただし、すでに派遣されている事業は対象外です。同社は、大手派遣会社「クリスタル」グループ(本社・京都市)の中核企業で、売上高は四百五十億円(〇五年)。

 労働局によると、姫路営業所が同県加古川市にある工場と請負契約を締結。しかし、今年八月までの数年間、派遣先の直接の指揮下で働くことを知りながら、常時約五十人を派遣していました。

 労働局が二月に報告を求めた際も「改善した」と事実と異なる報告書を提出し、度重なる指導にも応じなかったため、命令に踏み切りました。

 コラボ社は、トヨタ自動車系部品会社「光洋シーリングテクノ」(徳島県藍住町)での偽装請負をJMIU(全日本金属情報機器労組)徳島地域支部の労働者が告発し、二月に徳島労働局が是正を指導。松下プラズマディスプレイ(大阪府茨木市)でも前身会社による偽装請負を労働者が告発し、昨年七月に大阪労働局が行政指導しました。今回の処分ではこうした点も考慮されました。


 偽装請負 業務請負なのに、派遣のように発注企業の指揮管理下で働かせること。本来、発注企業は請負労働者に業務の指示はできません。偽装請負は発注企業にとって安全管理など使用者責任や契約期間の規制(製造業で一年)を免れるなどの利点があります。


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