2006年9月26日(火)「しんぶん赤旗」

公序良俗に反する問題

サラ金「命を担保に」でシンポ

神戸


 サラ金業者が借り手を生命保険に加入させ、「命を担保に」とっていると指摘される「消費者信用団体生命保険」問題について語り合うシンポジウムが二十五日、神戸市で開かれ、多重債務が原因で自殺した人の遺族や弁護士らが問題点を語り合いました。

 アイフル被害対策全国会議、ひょうご高金利被害対策会議の主催。

 母親が多重債務に陥って自殺し、サラ金大手「アイフル」から死体検案書の提出を求められた兵庫県の女性遺族は「母親を救えなかった自責の念を恐ろしいほど感じていた。立ち直らなくては、と思ったころに(検案書提出の)依頼をうけ、母が亡くなった日に戻った気がした」と発言。利息制限法で再計算したところ母親の借金は過払いだとわかり、「悲しみに怒りがまじった」。アイフルと保険会社を相手取り、保険請求権不存在の確認と慰謝料を求める「団信訴訟」を起こしたことを報告しました。

 団信訴訟弁護団の茆原正道団長、辰巳裕規事務局長らからは、多重債務に陥らせて自殺の原因をつくっているサラ金が保険の受け取り人になっている問題、借り手に生保加入の同意を事実上得ていない問題、保険料や死亡率が不明など情報公開がされていない問題が指摘されました。

 茆原弁護士は「借り手が納得して保険に入っても、高利で追い込まれたとき『保険がある』と(自殺に向かう)考えが浮かばないか。公序良俗違反にあたる問題を抱えている」と指摘。辰巳弁護士は「団信保険をやめると遺族に負担がかかるといわれるが、高金利を残して自殺を生み、その保険をどうするかではなく、自殺を生まないためにどうするか、を考えるべきだ」と強調しました。


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