2006年9月26日(火)「しんぶん赤旗」

改憲・小泉路線に高得点

経団連が政党“通信簿”


 日本経団連は二十五日、企業献金の指標となる自民党と民主党の政党“通信簿”を発表しました。小泉内閣下での郵政民営化法の強行や歳出削減策の策定などを受け自民党の評価が高くなっています。

 政党“通信簿”は、大企業の要求を優先政策事項として十項目を並べたて、A(推進)からE(逆行)の五段階で「合致度」「取り組み」「実績」の各項で評価します。企業献金と結びつけ、財界・大企業本位の政策の実行を迫るものです。

 自民党の政策と経団連の政策の「合致度」では、Aが昨年より四つ増え七つになりました。「取り組み」を含めた評価で計六つが上昇しました。

 「税・財政改革」では、国・地方公務員人件費を含む歳出削減を評価。「法人実効税率の引き下げに具体的な進展はなかったが、情報基盤税制の創設などを実施した」として「合致度」「取り組み」ともAとしました。

 「雇用」では、残業代を支払わなくていいホワイトカラー・エグゼンプションの導入に「具体的な進展無し」としました。「実績」をCとし実行を迫っています。

 「外交・安全保障」では、新憲法草案を公表したことを評価。防衛庁の省への移行、宇宙の平和利用原則を覆す「宇宙基本法案」を検討していることなどから「合致度」でA、「取り組み」はBでした。

 民主党については、「規制社会の転換」を掲げていることなど全体で五つの評価が上がりました。経団連の宮原賢次副会長(住友商事会長)は「経団連の政策に近づいてきている」としました。

日本経団連の政党“通信簿”

優先政策事項
主な事項
自民党
民主党












税・財政改革国 国・地方を通じた公務員人件費の削減。2007年度をめどに、消費税率の引き上げを含む抜本的改革
社会保障 自立・自助が基本。給付の重点化。医療保険制度の効率化・重点化により2010年度の公的医療給付費を30兆円以内に抑制
規制緩和・民間開放 医療など重点分野の規制改革推進。政策金融機関の改革
科学技術創造立国 産学官連携の促進のための施策。知的財産政策の強化
エネルギー・環境 環境税や温室効果ガスの排出割り当てなど経済統制的な施策を一切採用しない。原子力を基幹に
教育改革 教育基本法の早期改正。株式会社立学校などの参入促進
雇用 ホワイトカラー・エグゼンプション制度の導入。職業紹介・相談や能力開発の民間委託
地方・都市環境整備 市町村合併を推進し、州制の導入。首都圏三環状道路の整備
通商政策 経済連携協定の締結。農業分野の構造改革の促進
外交・安全保障 総合的安全保障の実現へ省庁横断的な体制の整備。改憲を視野に入れつつ、自衛隊活動の一層の強化

(注)政党評価はA(推進)からE(逆行)までの5段階。「―」は該当なし


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