2006年9月25日(月)「しんぶん赤旗」
おはようニュース問答
改正雇用機会均等法、意見を反映させたいね
みどり やっと、意見書が書けたわ。
陽子 あら、なんの意見書?
みどり 男女雇用機会均等法改正法が、六月に成立したでしょ。来年四月からの改正法の施行を前に、その指針案と省令案について、厚生労働省が国民から意見を募っているの。
陽子 どういうことなの。
三つの事例だけ
みどり 改正法は、性別を理由としない間接差別を一定程度は禁止したの。でも省令で禁止を規定したのは、募集・採用にあたって労働者の身長や体重・体力を要件とする、総合職の募集・採用にあたって転勤に応じることができるなど、三つの事例だけ。だから、間接差別はなくならないという声が随分と出されたんだって。
陽子 そうなの。
みどり 企業が、巧妙な男女差別の方法をどんどんつくったから、三つの事例だけでは、ほとんどの差別が当てはまらないからなの。
巧妙な男女差別
陽子 どんなやり方で差別しているの。
みどり 総合職と一般職といったコース別雇用管理や、労働者の働き方を企業が査定する成果主義などによって差別するんだって。
陽子 そういえば、診療報酬支払いの仕事をしている職場が、全国に転勤できることを係長から課長への昇進の条件にしており、間接差別だと、日本共産党が国会で追及していたわね。
みどり そうそう。
陽子 女性が働きやすい職場づくりのために威力を発揮する法律をつくる機会だったのに。残念ね。
みどり でも、いい法律に改正してほしいと、たくさんの人が国会に働きかけて改正案に付帯決議がつけられたの。
陽子 労働組合や女性団体など、たくさんの人たちが国会や厚労省に働きかけたおかげね。
みどり 省令が決める三つの間接差別以外にも、間接差別が存在することを認めて、機動的に追加や見直しをするという内容よ。意見書の募集も、そのためのものなの。だから私も、意見を書いたというわけよ。
陽子 これからもあきらめずに、厚労省や各地の労働局へ、私たちが声を伝えていくことが大切なのね。
〔2006・9・25(月)〕