2006年9月22日(金)「しんぶん赤旗」

米の他国への介入批判

国連総会でベネズエラ大統領


 【ニューヨーク=鎌塚由美】ベネズエラのチャべス大統領は二十日の国連総会一般討論で、イラク侵略などブッシュ政権の覇権主義を強く批判し、国連の民主的強化を訴えました。

 チャべス氏は、米国の学者ノーム・チョムスキー氏の近著『覇権か生存か』を紹介し、米国の覇権主義の実態を「ぜひみなさんに読んでもらいたい。一番に読んでもらいたいのは米国の兄弟姉妹だ」と切り出しました。

 チャベス氏は、ブッシュ大統領を「悪魔」と表現。前日の同じ場でのブッシュ大統領の演説について、「自らが世界を所有しているかのようだった」が、「われわれは世界的独裁政権を強化させるわけにはいかない」と批判。イラク、アフガニスタンをはじめとする世界各地で、米国の介入で暴力が激化していることをあげ、「米国は平和を求めていない」と批判しました。

 チャべス氏は、国連再建が必要だと強調。「第二次世界大戦後に生まれた国連システムは崩壊し、世界の過酷な情勢に影響を与える力がない」と指摘。改革案として、途上国に議席を拡大する安保理改革や拒否権の停止などを提案しました。

 チャベス氏は、覇権を振るう米国に対し、途上国をはじめとする人々が目覚め、立ち上がり始めていると指摘。新しい国連のもとで、国連の根本的な原則にそって世界平和が実現するだろうと語りました。

 チャべス氏の演説は大きな拍手を受けました。その評価を問われた米国のボルトン国連大使は、「失礼だ」と述べ、「われわれは国際問題に対するこっけいなアプローチにはコメントしない」と表明。チャベス氏が実践した「表現の自由」を、「ベネズエラの人々にも与えるべきだ」と語りました。


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