2006年9月21日(木)「しんぶん赤旗」
調査委託料1300万円は不当
三菱総研の報告書 他と酷似
東京・中野区 住民が監査請求
警察大学校跡地開発
中野区の委託を受けて大手シンクタンクの三菱総合研究所(東京都千代田区)が作成した「中野駅周辺まちづくり推進委託報告書」(二〇〇六年三月)をめぐり、委託料千三百万円を支出したのは不当だとして十九日、区民二人が田中大輔区長への委託料の返還勧告を求める住民監査請求をしました。二十日、監査請求した小木曽仁夫(63)、佐藤ヨシ(65)の両氏ら住民が記者会見し、明らかにしました。
中野区が三菱総研に委託調査しているのは、警察大学校等跡地の活用を中心とするもの。区民の多くが防災公園を望んでいますが、区は超高層ビルの建設を含む再開発を進めようとしています。
請求書では、三菱総研が作成した報告書のうち約半分のページ数にあたる「第3部中野四丁目地区計画の推進」のほとんどの部分が、財団法人東京都新都市建設公社が作成した「地区計画検討支援業務委託報告書」(〇五年三月)の「丸写しといえる内容」だと指摘しています。
また、調査委託契約について、委託設計書や内訳書が作成されず、委託経費千三百万円の算定根拠が示されていないこと、競争入札による契約にすれば契約金額を引き下げることができたなどと主張しています。
小木曽氏は「三菱総研という大企業が、千三百万円という大金をかけて作らなければならないような報告書ではない。しっかり監査してほしい」とのべました。
中野区は、〇三年度からシンクタンクへの調査委託を毎年繰り返し、四年間で約五千万円を支出。〇四年度の会計監査では「契約方法が適正でなかった」との指摘を受けています。