2006年9月19日(火)「しんぶん赤旗」
認定こども園 問題点を見る 下
保育基準下がる懸念
認定こども園になるための設備や職員配置などの基準は、各都道府県ごとに条例で定められます。国は、認定基準にかんする指針(ガイドライン)を八月に示しました。
調理室も
政府は、既存の施設が認定こども園に移行することが困難とならないように“配慮した”と説明しています。たとえば、幼稚園が認定こども園になる場合、調理室の設置が困難ならば、三歳以上の子どもについては、園内に調理室がなくても、給食の外部搬入を認めています。
「指針は、都道府県を強制的にしばるものではない」(文科省の担当者)ため、国の指針よりも低い認定基準を都道府県が設定することもできます。東京都ではすでに、都独自の基準を設定した「認証保育所」が実施されていますが、都の調査でも「保育スペースが狭い」「園庭がない」などの不満が出ています。
認定こども園の導入によって、今でも不十分だと指摘されている保育所・幼稚園の基準さえ引き下げられる心配があります。地域格差が広がることも懸念されています。
待機児童
働く母親の増加などで、幼稚園の園児数はこの十年間で約十万人減少しました。一方、保育所は都市部を中心に二万三千人以上の待機児童がいます。
政府は、既存の幼稚園などを活用して待機児童を解消することを、認定こども園のポイントの一つにあげています。そのほか、保護者が働いている、いないにかかわらず継続して同じ施設が利用できることや、おもに専業主婦への子育て支援が拡充できることを利点として宣伝しています。
しかし、保育・教育関係者からは「国と自治体の責任を後退させ、財政削減や保育水準の切り下げにつながる中身だ」との批判が出ています。日本共産党は、六月に国会で成立した「認定こども園法」(自民、公明、民主の各党が賛成)に「現状の保育環境の低下を招き、保育料の負担能力で子どもたちの受ける保育に格差が生まれる」などの理由で反対しました。
今後、実施に向けては、都道府県が議会で認定基準の条例を定めたうえで、施設が都道府県に申請して、知事の認定を受けることになります。
自治労連(日本自治体労働組合総連合)の調査(十日時点)によると、九月議会で条例案を審議するのは、約半数の二十一道府県。残りは十二月議会に提出される見込みです。
現在、全国各地で保育関係者などが、子どもの育ちを保障するため、保育所・幼稚園の現行基準を下回らない認定基準にすることを求める運動を広げています。(秋野幸子)

