2006年9月19日(火)「しんぶん赤旗」

庶民大増税 なぜなぜ問答

財源論編 10

Q 費税に頼らず財政再建できる?(上)


 消費税に頼らなくても、財政は再建できるのでしょうか。それは十分可能です。

ムダ削減

 まず、歳出面での浪費やムダをなくすことです。公共事業は、一九九〇年代半ばのころのような「年間五十兆円」と比べると減ってきましたが、それでも国・地方あわせて年間三十兆円くらいになります。

 とくに、大型公共事業が優先されるために、生活道路や公営住宅など暮らしに密着した分野の予算が減らされたり、学校の耐震化が進まないなど、内容面の問題も大きくなっています。

 学校や病院などの建設を除いた公共事業の規模を、対国内総生産(GDP)比で計算すると、日本はフランスの三倍、イギリスの九倍もの規模になっています。もしフランス並みの規模に減らしたら、十二兆円も減る計算になります。そこまで削減するかどうかは別としても、まだかなりの規模の削減が可能です。

 同時に、生活・環境・防災などの分野を重視して、公共事業の内容を転換していくことも大事です。

10兆円も

 軍事費はどうでしょうか。ソ連崩壊後、欧米各国では九〇年代に軍事費削減が行われました。ところが、日本では軍事費は増え続け、年間五兆円近い規模になっています。今後も、総額三兆円といわれる米軍再編経費などのために、さらに増加するのではないかといわれています。この軍事費は大幅削減が可能です。

 このほか、危険な原発や核燃料サイクルなどを中心とした原子力予算(四千億円)、大企業の研究開発補助金、憲法違反の政党助成金(三百億円)、内閣官房や外務省の機密費など、各分野の浪費にメスを入れる必要があります。特別会計を利用したムダの温存や、特殊法人などに天下りした渡り鳥高級官僚の巨額の退職金、岐阜県庁や各地の警察などで発覚した「裏金」問題などにも、徹底的なメスを入れなければなりません。

 政府の「骨太の方針」では、社会保障予算や教育予算などの大幅削減を打ち出しています。このような国民にとって必要な予算の削減ではなく、国民にとってムダな予算こそ、大胆に削減すべきです。これによって、中期的には十兆円近い財源を生み出すことができます。(つづく)

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