2006年9月15日(金)「しんぶん赤旗」

米2誌が安倍氏特集

「周辺諸国すでに懸念」「危険な国家主義者」


 米国の代表的週刊誌である『ニューズウィーク』と『タイム』はアジア版最新号で、日本の次期首相と予想される安倍晋三官房長官について、同氏の写真を表紙に掲げて特集を組んでいます。「実績は薄いが、周辺諸国はすでに彼のことを懸念している」と『ニューズウィーク』がリードで書くなど、両誌とも安倍氏のタカ派姿勢への憂慮をにじませています。

 安倍氏が「支持者にとっては強力な指導者だが、批判者にとっては危険な国家主義者」と表紙に書くのは『タイム』誌。同氏を首相の地位にまつりあげる上で小泉首相以上に「大きな責任を負っているかもしれない」のは北朝鮮の金正日総書記だとし、閣僚経験の乏しい安倍氏の人気を高める点で北朝鮮への対決姿勢が大きな役割を果たしたと述べています。

 その上で、「彼(安倍氏)はそこから間違った教訓を引き出し」「国内で人気を失えば、彼は本能的に、より耳障りな国家主義に立ち戻るかもしれない」とのスティーブン・ボーゲル米カリフォルニア大バークリー校准教授の分析を紹介しています。

 安倍氏の外交顧問の岡崎久彦元駐タイ大使が、中国を念頭におき「戦争の準備をしなければならない」と述べていることも紹介。靖国神社参拝を繰り返した小泉首相の下で中韓両国との関係が悪化したなか、「東京裁判の正当性を疑問視する」安倍氏が首相になれば「傷が悪化する可能性がある」と述べています。

 また「安倍氏が評判どおりの強硬派なのか、ソウルと北京は大きな不安を抱いている」との調査機関、国際危機グループ(ICG)北東アジア責任者ピーター・ベック氏の声を引いています。


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