2006年9月10日(日)「しんぶん赤旗」

米の核政策を批判

核戦争防止国際医師会議 草の根運動強化訴え


 【ヘルシンキ=岡崎衆史】核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の第十七回世界大会が八日、フィンランドのヘルシンキで始まりました。十日までの三日間「医師の使命 戦争か健康か」をテーマに、核兵器廃絶のための運動強化を目指して論議を行います。

 会議ではフィンランドのトゥオミオヤ外相が、「二〇〇五年の核不拡散条約(NPT)再検討会議は期待に応えるものではなかった。二〇一〇年の再検討会議を成功させるためにあらゆる努力を払うことが決定的に重要だ」と述べ、核軍縮に向けた国際社会の取り組みを抜本的に強化する必要性を強調しました。

 IPPNWのロナルド・マッコイ共同議長は、最大の核保有国米国が先制攻撃戦略、二重基準、核兵器とその運搬手段の近代化、非核保有国への核攻撃など「露骨な」政策を採用していることを指摘。また、〇五年のNPT再検討会議がブッシュ政権の非建設的な対応で失敗したことを挙げ、「米国は、すべての核保有国の中で核兵器のない世界をつくる上で最大の障害となっている」と批判しました。

 同議長はまた、「核保有国は有権者に強制されない限り核軍縮の約束を実行しない」と述べ、核廃絶の草の根の運動を強め、核保有国の政府に圧力をかける運動を強めるよう訴えました。

 開会会合では学生の代表も発言。ドイツのアレックス・ローゼンさんは「学生が脇役ではなく、組織の中心となって活動しなければならない」と述べ、学生・青年分野での核兵器廃絶の運動を強める決意を表明しました。

 全体会議で発言した広島市の秋葉忠利市長は、米国がイランへの核兵器使用をも排除していないことを指摘し、広島・長崎への原爆投下後長い間続いた核兵器使用のタブーが「破られようとしている」と警告しました。

 大会には最終日までに世界四十一カ国から二百六十三人の代表が参加予定。また、三十三カ国、百二十四人の学生代表が参加を予定しています。日本からは、IPPNW日本支部、「反核医師の会」会員、医学生など五十五人が出席します。

 初日には「グローバル化と戦争」と題したシンポジウムと「欧州の核兵器」など五つの分科会も開かれました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp