2006年9月2日(土)「しんぶん赤旗」

民主・小沢代表が著書出版

小選挙区制を「成果」

改革とは「痛み伴う」


 民主党の小沢一郎代表は一日、みずから主宰する政治塾などで語ってきた政治理念をまとめた著書『小沢主義(オザワイズム)』を出版しました。同日の安倍晋三官房長官の自民党総裁選出馬表明に合わせたものです。

 五年間の小泉政治について「内政においては強者の論理による格差の拡大」と総括しました。しかし、小泉「改革」をセーフティーネットの対策を講じていないとして批判しながら、「構造改革」路線そのものについては「改革とは最初から痛みや犠牲を伴うものと決まっている。『痛みを伴わない改革』などはどこにも存在しない」と肯定しています。

 外交では「無批判な対米追従政治」と小泉政治を批判する一方で、「最も重要なのは日米関係」と表明。イラク戦争での日本の米国支持に対し「国連決議を待たずにアメリカ支持を打ち出したことそのものを一方的に批判しているわけではない」とのべ、「国益に基づく判断」があれば理解できたとしています。

 また、日本が国際貢献のため自衛隊とは別組織の国連常設の「警察軍」を編成し、提供すべきだと提唱しています。これは二〇〇四年に小沢氏と横路孝弘前副代表が合意した「国連待機部隊」構想にあたります。

 靖国問題については「中国や韓国が繰り返している批判には同調するつもりはない」としつつ、問題の本質がA級戦犯の合祀(ごうし)にあるとの持論をのべました。

 民主党が掲げる「二大政党制」に関し、「政権交代のないところには真剣な政策論争も起こりえないし、また政権与党からは自分たちが国民から国政を預かっているという緊張感も失われる」とのべ、小選挙区比例代表並立制の導入をみずからが取り組んだ「成果」として評価しています。


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