2006年8月23日(水)「しんぶん赤旗」

中部国際空港工事

水谷建設 78億円受注

税金、暴力団に還流か

脱税の全容解明急務


 元会長の水谷功容疑者(61)らが脱税(法人税法違反)の罪で起訴された水谷建設(三重県桑名市)が、無駄遣い大型公共事業の典型の一つ、中部国際空港関連の工事を二〇〇一年八月―〇四年八月までの三年間で、二十件、約七十八億円も受注していることが本紙の調べでわかりました。


 同容疑者は、同空港と関西国際空港の埋め立て工事などで、多額の裏金を暴力団関係者などに渡したと供述しているとされ、国家的プロジェクトにつぎ込まれた税金が「ヤミ社会」に流れこんだ問題としても解明が必要です。

 受注額などは、水谷建設が国土交通省中部地方整備局長に提出している工事経歴書でわかったもの。同社は容疑として、〇三年八月期と〇四年八月期合わせて約三十八億一千万円にのぼる所得隠しが指摘されており、調査したのは、二〇〇一年八月二十一日―〇四年八月二十日の三営業年度。

 これによると、同社は鹿島、戸田建設などの共同企業体(JV)が受注した「空港島造成(その2)工事」(六億三千二百万円)、清水建設、三井建設などのJVが受注した「臨海用地造成事業対岸部造成工事」(八億六千九百万円)、東亜建設工業、熊谷組などのJVが受注した「空港島造成工事(その1)建設発生土埋立工事」(二億二千四百万円)などを下請けとして多数受注しています。

 中部国際空港株式会社自体が発注した「空港土木付帯施設等工事(その2)」(四億七千万円)もJVで元請けしています。このほか、愛知県企業庁が発注し、鹿島、徳倉建設などのJVが受注した「空港島造成(その3)重機土工事」(千三百万円)などの下請けも。

 同社が三年間で受注した中部国際空港関連の工事はのべ二十件、請負代金の合計は、約七十八億二千六百万円にものぼります。

 水谷建設は、中部国際空港のほかにも、徳山ダム(岐阜県)、志賀原子力発電所(石川県)、第二東名高速道路(静岡県)、北九州空港(福岡県)などの大型工事も受注しています。

 水谷建設をめぐる脱税事件では、福島県発注の木戸ダム本体工事を受注した前田建設工業はじめ、同ダム工事の入札に参加した大成建設、熊谷組、佐藤工業などの担当者が東京地検特捜部の事情聴取を受け、東急建設の東北支店長が聴取後、自殺するという事態もうまれています。

 脱税で工面したカネがどこに流れたのか―。“政商”を自任する水谷容疑者率いる水谷建設が、地方の建設会社ながら国家的プロジェクトを含む公共事業に食い込んでいった背景、経緯などについても解明が求められています。


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