2006年8月19日(土)「しんぶん赤旗」

石播が差別指示文書

共産党員の昇進を制限

「是正」合意守らず

連絡会が新資料発表


 造船重機大手の石川島播磨重工業(本社・東京)が、「ZC(ゼロ・コミュニスト=共産党員撲滅)計画」と称して、日本共産党員やその支持者とみなした労働者にたいして賃金・昇進差別をおこなっていることを裏付ける新たな内部文書が明らかになりました。労働基準監督署に差別是正を申告している労働者百六十八人などでつくる「人権回復を求める石川島播磨連絡会」が十八日、発表したものです。


 問題の文書は、人事部労働管理グループが平成七年(一九九五年)二月十三日付で作った「〇の人事考課・昇進管理方針(案)」。「〇」は共産党員を指し、「厳秘」と押印されています。ZC名簿登載者の定年までの昇進の上限を定め、それを超えないよう「個別管理計画」の作成を全事業所に指示していました。

 登載者を「A」(活動的な党員)と「B」(党員とみなした労働者)に分け、事務技術系は専門職三級、現業系は上級技能職一級(いずれも標準的労働者なら三十歳代前半で超える職能等級)を上限と定めています。なかには定年になる二十一年先の等級まで決められている労働者もいます。

 同社の思想差別は裁判が起こされ、二〇〇四年に差別是正や人権擁護の徹底などで和解。これにもとづいて原告以外の百六十八人が差別是正を申し立てましたが、会社側は合意を守らず、進展していません。百六十八人の賃金差別総額は六十八億円にのぼります。

 連絡会は「差別是正に背を向ける会社側の姿勢が問われる。和解合意を守り差別是正をはかるべきだ」としています。

 名簿搭載者の一人、愛知の芝原礼子さん(65)は「一般社員は三―四年ごとに一級昇級するのに、二十年以上も昇級せず差別されてきました。会社はZC名簿に私の名前はないといってきましたが今度出た新資料に載っています。会社の憲法違反ははっきりしています。ぜひとも是正してください」と話しています。

 人権回復を求める石川島播磨連絡会は同日、東京都江東区にある石播本社前で差別是正を求めて宣伝するとともに、厚生労働省に調査と是正指導を要請しました。日本共産党の笠井亮衆院議員が同席しました。


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