2006年8月17日(木)「しんぶん赤旗」

被害者や弁護士ら宣伝

高金利例外ない引き下げへ

キャラバン(東日本コース)開始

本人も家族も破たんさせる


 「高金利引き下げを勝ち取るぞ」「例外なく勝ち取るぞ」。サラ金、クレジット、商工ローンの高金利引き下げを求め、被害者、弁護士、司法書士らが全国各地で街頭宣伝、署名活動を行う「高金利引き下げ全国キャラバン」の東日本コースが十六日、さいたま市でスタートしました。


 「高利貸しのない社会を」とのノボリをたて、埼玉県の被害者の会「夜明けの会」の相談員や弁護士、司法書士ら二十人以上が同日、JR大宮駅前などで署名活動と街頭宣伝。「本人だけでなく家族や周囲を破たんさせるきわめて危険な金利です」と訴えながら、署名を求めると、若い二人連れなど買い物客らがじっと説明を聞き、次々と署名に応じました。

 「買い物したくてお金がないときに、クレジットで借りたりするとすごい金利がつく」と女子高生二人組に説明していた「夜明けの会」相談員の派遣会社員(44)=埼玉県鳩ケ谷市=は、高金利被害で「家庭も仕事もなくした」経験を持ちます。

 サラ金五社などから借り入れを八年間続け、返済額は月十五万円にものぼりました。会社や自宅に取り立てを受け、電気や水道が止まったことも。二百四十万円の残債務があると思っていましたが、高金利を利息制限法の金利で計算し直すと、五社から計二百万円の過払い金を取り戻すことができました。

 男性は「普通は、金利がどれだけ高いかわかっていなくて、なんとか返していくうちに返せなくなってどんどん借りてしまう。高金利をとりあえず利息制限法まで下げれば、かなり生活できるようになる」と話します。運動には高金利の実態を伝えたいと参加しています。

 キャラバン出発式で埼玉弁護士会の長田淳弁護士は、「私たちが見てきた、受けてきた被害を将来に残さないために、絶対に例外ない引き下げを実現したい。できるだけ多くの署名を集め、『高金利引き下げを』の思いを全国の人と国会議員に伝えたい」と訴え。

 高金利引き下げ全国連絡会代表幹事の新里宏二弁護士は「被害者、市民の声をきちっと届けることで例外ない金利引き下げはできる」と強調しました。

 キャラバンカーは関東各県から東北、北海道をまわり、本州日本海側を南下して十月中旬、東京でゴールすることを目指します。

高金利をめぐる情勢

 最高裁でことし、高金利を認めない判決が相次いだのに続き、金融庁の「貸金業制度等に関する懇談会」が五月、出資法上限金利(年29・2%)を利息制限法の上限(年15〜20%)まで引き下げるべきとの中間報告をまとめました。同懇談会は早ければ今月下旬にも最終報告を出します。自民党の調査会も、金利引き下げ意見が大勢との報告を出し、秋の臨時国会で法改正がされる見通しです。しかし「少額」の場合などに金利規制の「例外を設ける」べきとの意見も一部で出されており、そうなれば「引き下げが骨抜きになる」と警戒する声が出ています。日本共産党は出資法上限金利をまず利息制限法の水準まで引き下げることをいっかんして主張しています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp