2006年8月16日(水)「しんぶん赤旗」

中国「残留孤児」デモ

「国はなぜ賠償認めない」

東京


 中国「残留日本人孤児」国家賠償請求訴訟の原告・弁護団、支援者らが十五日、東京・日比谷公園周辺で「中国『残留孤児』集団訴訟の勝利を求める8・15デモ」をしました。東京、埼玉、千葉、神奈川などから約七百人が参加しました。

 原告団代表の池田澄江さん(61)は生後十カ月のとき中国に置いていかれました。「八月十五日は一番悲しい日」と言います。「青春をなくし、人生をなくしました。国はなぜ賠償を認めてくれないのか」と話し、デモ隊の先頭を歩きました。「戦争は人生を一生苦しいものにした。次の世代には戦争をしてほしくない。同じ苦しみを味わってほしくない」

 群馬県から参加した「同心会」会長の小山光儀さん(70)は年金だけでは暮らせず、ガードマンをしています。「八月十五日は、いま考えても涙が落ちる。家族離散の日。戦争になったから家族がバラバラになった」と涙ぐみ、「自由を返せ、裁判勝訴」などと書かれた孫の手作りの旗を持ってデモに参加しました。

 中国から日本に帰国した日本人孤児らが国に損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟は東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡など十五地裁に提訴。十二月一日に神戸地裁で、来年一月三十一日に東京地裁で判決が出ます。


京都では署名活動

中国「残留孤児」 裁判支援訴える

 中国「残留日本人孤児」国家賠償請求京都訴訟の原告や家族、弁護士、支援者が十五日夕、京都市で署名活動を行いました。

 現在百九人が加わる京都訴訟原告団の奥山イク子団長(73)=京都市伏見区=が、悲惨な逃避行を描写した絵や、×印が残る戸籍などを指して訴え。戦前に国策として半ば強制的に中国に送りこまれた上に、終戦と同時に現地に残され、「小日本鬼子」などといじめられた悔しさや、帰国後も政府が支援を怠ったため日本で人間らしく生きる権利を奪われた怒りを語りました。

 村山晃弁護団長は、原告が全国十五地裁で二千人以上にのぼることにふれ、裁判への支援を呼びかけました。

 署名に応じた大学一年の女子学生(18)=大津市=は「『残留』孤児の問題も靖国神社参拝の問題も、戦争したことを反省するために解決すべきことだと思います」と話していました。


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