2006年8月9日(水)「しんぶん赤旗」

「非正規」青年3倍

20―24歳10年間に

20代年収 150万円未満2割

規制緩和で格差拡大

労働経済白書


 若年層を中心に、派遣や請負労働など非正規雇用の比率が急速に拡大し、二十歳から二十四歳では十年間で三倍、二十年間で四倍になっていることが分かりました。厚生労働省が八日に発表した二〇〇六年版「労働経済白書」で明らかになりました。白書は、低所得の非正規雇用の若者は、親と同居している人が多いが、いずれ独立する際に、所得格差の拡大や固定化が懸念されるとしています。


 白書によると、二十歳から二十四歳の非正規雇用者の雇用者に占める割合は、一九八二年の8・3%から、一九九二年に10・7%、二〇〇二年に31・8%と急増し、二十年間で三・八倍になりました。

 とくに、九二年からの急増が目立ち、十年間で三倍になりました。九〇年代からの「構造改革」路線のもとで、派遣労働を原則として自由化するなど労働法制の規制緩和と、「コスト削減」のために企業が正社員の採用を抑制し、非正規に置き換えてきた影響の大きさを改めて裏付けています。

 所得の面から見ても、非正規雇用の多い二十歳代では、九二年から二〇〇二年の十年間に、年収百五十万円未満の低所得層が15・3%から21・8%に増加する一方、五百万円以上の層が2・9%から3・2%に増加しています。若年層の低所得層の拡大で、所得格差が拡大していることが分かります。

 白書は、低所得の非正規雇用者は結婚する割合が低く、少子化の原因となっていると指摘。格差を固定しないための対策が必要だとし、正規雇用への移行を促進していくことが重要だとしています。

グラフ

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