2006年8月8日(火)「しんぶん赤旗」

大阪府議補選(東大阪市区)定数2で朽原さん勝利

他党支持者も“くらし守って”

弱者いじめ政治に市民の怒り示した


 六日投開票の東大阪市選挙区の大阪府議補選(定数二、立候補五人)で、日本共産党の朽原(くちはら)亮候補が当選しました。市長選挙につづくこの勝利は、新しい政治の流れの変化を改めて示しました。


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(写真)開票翌日、府民に当選の報告をする朽原亮府議=7日、東大阪市

 当選から一夜明けた七日、朽原氏は早速、太田房江府知事への党府議団の予算要望に出席し、府議としての活動を開始しました。

 「弱者いじめの政治に市民が怒りを示したと思います。これで政治がいい方向に向かってほしい」。当選の報が届き、選挙事務所前で拍手していた女性(60)の感想です。

 朽原氏の得票は、二万一千五百六十三票(得票率は26・44%)。一位の自民党候補と、わずか百六十三票差でした。「自民か民主か」と庶民いじめの悪政を競い合う“二大政党制”の流れに立ち向かう日本共産党の存在をはっきり示す結果となりました。

 補選の結果、党府議団は十議席となり、議案提出権を獲得しました。

 市民からは、市長選に続いて「くらしを守ってほしい」「悪政を変えてほしい」という願いが幅広く寄せられました。

 日本共産党以外の「オール与党」が支える太田府政は、小泉「構造改革」の悪政を府政にもちこみ、福祉・医療・教育の切り捨てを進める一方、関空二期事業などムダな大型開発推進を変えず、しかも「解同」(部落解放同盟)いいなりを続けています。

 住民税や国保料、介護保険料の大幅値上げを何とかしてほしいという切実な声に対して、その軽減を公約に掲げたのは日本共産党の朽原氏だけでした。

 同和問題でも、朽原氏だけが、不公正乱脈をただし終結の実現を、と公約しました。町を大混乱させていた同和事業を勇気をもって見直し、町政を立て直した山田兼三前南光町長が、朽原氏の応援に兵庫県からかけつけました。

 朽原氏は、「くらし守り、ムダづかいストップ、同和行政終結へ全力をあげます」と太田府政に正面から対決する姿勢を鮮明にしました。他党支持者からも「これだけ痛めつけられたら共産党しかない」と期待の声が届きました。

 しかし、他陣営は政策をまともに語れず、市民の切実な声にこたえる姿勢はありませんでした。とくに自民党は、西野あきら衆院議員、北川イッセイ参院議員、塩川正十郎元財務相の三氏が勢力争いを繰り広げてそれぞれ候補を立て、定数二に候補を三人も立てる市民不在ぶりをあらわにしました。支持者からも「内輪の権力争いばかりで、市民のくらしに責任をもつ気がないことを証明している」など批判が続出しました。

 民主党は、地元の現職府議との関係で、党籍を持つ前市議を公認できませんでした。候補者は、府政与党であることを隠して、「府は六兆円ともいわれる借金を背負っていて、そのツケを払わされるのは府民だ」「自民党でも共産党でもない第三の選択肢、民主党の候補の私に支援を」など野党ポーズに懸命でしたが、結果は最下位に終わりました。

 当選のあいさつに立った朽原氏は、「全市内をかけ巡って、市民の生活のきびしさ、期待の熱さ、政治の流れの変化を実感しながらのたたかいでした。痛みを強いる弱肉強食の政治、貧困と格差をいっそう広げる、小泉『構造改革』に対する審判が、市長選に引き続いて示されました。みなさんから寄せられた願いを府政に届け、議案提出権も生かして、掲げた公約の実現へ、全力で奮闘します」と決意をのべました。(平岡 賢)


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