2006年8月8日(火)「しんぶん赤旗」

共産党への名誉棄損演説・報道

公明・松議員ら遺憾の意

高知地裁で和解


 日本共産党と同高知県委員会は、公明党の松あきら参院議員(現・経済産業副大臣)らが日本共産党の名誉を棄損する演説をおこない、報道した問題で謝罪と損害賠償を求める訴訟を起こしていましたが、七日、高知地裁の勧告を受け、裁判上の和解が成立しました。和解条項で、松あきら議員らが遺憾の意を表明、公明党本部は「社会的責任」を認めました。

 問題の演説は二〇〇三年一月、高知市中央公園で開かれた公明党街頭演説会で、公明党女性局長・松あきら参院議員が、京都民医連加盟病院で起こった診療報酬不正請求事件を故意に日本共産党と結びつけ、「京都民医連が診療報酬を不正受給」し、「不正で得た金を共産党に献金している」「『人の命』を利用して集めた金で、(日本共産)党が成り立っている」と日本共産党を誹謗中傷し、これを高知公明党機関紙に掲載したもの。

 日本共産党と同高知県委員会は同年三月、公明党高知県本部、松あきら議員、機関紙編集責任者らに対し、日本共産党が不正なカネの団体献金を受けていると虚偽の事実をのべ、名誉を棄損したことは許されないと、謝罪広告の掲載などを求めて、提訴しました。

 和解条項で、松議員と編集責任者はこの演説と報道において「適切さを欠く表現を用い」、「不正で得た金を企業献金・団体献金として受領していると受け取られかねないような表現をしたことにより、日本共産党の社会的評価を低下させかねなかったことに遺憾の意を表明」しています。


松議員デマ演説事件の終結について

市田書記局長が談話

 日本共産党の市田忠義書記局長は七日、「公明党松あきらデマ演説事件」の終結にあたって次のような談話を発表しました。

◇  ◇

 公明党松あきら参議院議員のデマ演説の謝罪等を求めていた裁判は七日、裁判所の勧告によって松議員側が「遺憾の意を表明」することになったため、「和解」が成立し、終結することとなった。

 松演説は、二〇〇三年いっせい地方選挙の目前に、公明党女性局長である松参院議員が高知市内での公明党演説会で、京都民医連加盟病院で起こった診療報酬不正請求事件を故意に日本共産党と結びつけ、「不正で得た金を共産党に献金している」などと日本共産党を誹謗(ひぼう)中傷したもので、これは高知公明党機関紙にも掲載された。当時、公明党は民医連病院の問題をあたかも日本共産党が不正をおこなっているかのように公明新聞で攻撃し、各地でデマ宣伝していたが、松演説はその典型であった。

 日本共産党と同高知県委員会は裁判で、公明党・松参院議員らが虚偽事実を演説、報道したことが名誉棄損にあたることは明白と主張してきた。

 和解条項は、前記松演説が、「不正で得た金を企業献金・団体献金として受領していると受け取られかねないような表現」により、「日本共産党の社会的評価を低下させかねなかったことに遺憾の意を表明」した。このことは松演説が日本共産党について虚偽を述べたことを事実上認め、日本共産党の主張の正当性が確認されたものである。

 また、このことに関して訴訟当事者の一員である公明党本部は、「政党としての社会的責任の重大性に鑑み、党構成員の政治的資質の更なる向上に努力する」とした。これは、公明党も松演説の不当性とそれに対する責任の一端をになっていたことを事実上、意味しており、今後和解条項を厳守し、日本共産党に対して誹謗中傷をおこなわないよう、党構成員を指導する責務を負ったものである。

党高知県委員長 和解成立で会見

 公明党の松あきら参院議員らと和解が成立したことについて七日、日本共産党の佐竹峰雄高知県委員長と土田嘉平、梶原守光の両弁護士が高知県庁内で記者会見しました。

 佐竹氏らは和解について「こちらの主張の基本が認められたのでこれ以上、裁判を続ける必要がないと判断して和解した。公党の間で政策をめぐって論争はある。しかし、今回の場合は論争の域を逸脱したものであり、放置することができず、裁判に訴えた。これで公明党に対し一定の歯止めになるのではないか」とのべました。


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