2006年8月7日(月)「しんぶん赤旗」
原爆症認定
厚労相「厳しい判決」
被爆者団体に 控訴断念明言せず
原爆症認定訴訟の広島地裁判決結果について、川崎二郎厚生労働相は六日、「厳しい判決を受けた」として、大阪、広島両地裁の敗北を「二度の司法判決が国の考え方とかけ離れていたものと認識している」とのべました。控訴するかどうかは明言しませんでした。
広島市内での記者会見や日本被団協など被爆者七団体との会談で発言しました。
「控訴するのか」との記者の質問に、川崎厚労相は「厳しい判決を受けた。まさに判決の内容を検討しているところ。大阪地裁判決との比較論など、精密な検討を慎重に行いたい」としました。
川崎厚労相は、国の認定基準が二度の司法判決で否定された事実は認めながら、現在の認定基準を「国際的にも認められた評価システム。認定はこの基準を使うのが基本だ」と旧来の考えに固執しました。
被爆者七団体と厚労相との懇談の席上、金子一士被団協理事長は「被爆者はあと何年生きられるか分からない。控訴は人道にも反する行為だ」と控訴断念を求めました。