2006年8月4日(金)「しんぶん赤旗」

労働時間規制

強化か適用除外か

連合と経団連などシンポ


 長時間労働を是正するための方策を探るシンポジウム(日刊労働通信社主催)が二日、東京都内でありました。連合の古賀伸明事務局長、日本経団連の紀陸孝専務理事、慶応大学の樋口美雄教授が議論しました。

 古賀氏は、労働時間が週六十時間以上と週三十五時間未満が増えるなど労働時間の「長短の二極化」がすすみ、健康破壊や少子化の原因となっているとのべ、法定労働時間の厳守や最長労働時間の設定、時間外割増率引き上げを求めました。

 紀陸氏は、時間外割増率引き上げはコスト増を招き、人件費の安い非正規雇用を増やすと指摘。働き方のほうを変えるべきだとして、労働時間規制を外して何時間働いても残業代も出ない「エグゼンプション」(自律的労働時間制度)の導入を求めました。

 エグゼンプション制度について古賀氏は、すでに変形労働時間制や裁量労働制などがあるのに、新たに適用除外制度をつくる必要性はなく、長時間労働をいっそう助長すると批判しました。

 樋口氏も、自律的労働と呼べるのは管理監督されないプロだが、日本のホワイトカラー(事務系労働者)にそんな人は育っていないと指摘。導入すれば、残業代も払われず、労働時間が増えるだけだとのべました。

 紀陸氏は、現行の制度は「微調整に過ぎず、縛りがあってほとんど機能していない」として規制撤廃を要求。「生産性と効率を考えて欧米に打ち勝つことを考えないといけない」とのべ、労働強化と残業代削減をねらう姿勢を示しました。


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