2006年7月9日(日)「しんぶん赤旗」

新兵不足 米軍に極右続々

“戦闘技術の体得が目的”

民間組織が危険性警告


 【ワシントン=山崎伸治】イラク戦争の長期化で米軍の新兵不足が恒常化する中、ネオナチなどの極右組織の構成員が「戦闘のやり方」を体得するために入隊、なかにはイラクに派兵されている者もいると警告する報告が七日、公表されました。

 人種差別グループや極右武装組織などの活動を追及している民間組織「南部貧困法律センター」がまとめたもの。同センターは米国防総省に対策本部を設けて対応を強めるよう求めています。

 一九九五年、陸軍入隊中に極右思想に感化された兵士がオクラホマシティーの連邦ビル爆破事件を起こしたことから、国防総省は翌年、軍からネオナチなどを排除するという方針を明確にしました。

 ところが報告は、ネオナチなどが入隊してきても「イラク戦争で兵士を補うよう強く迫られている軍の新兵募集担当者や基地司令官は、見て見ないふりをすることが多い」と指摘。ワシントン州の陸軍基地フォートルイスに所属する国防総省担当官が昨年、三百二十人を極右組織の構成員と認定したにもかかわらず、「除隊させられたのは二人だけだった」という例を挙げています。

 さらに極右組織の構成員が陸軍のグリーンベレーや海軍のSEALなどの特殊部隊に加わることは、「市街地戦闘や広範囲の偵察活動、爆破などのコマンドー(奇襲)部隊の技術を税金を使って身につけさせる」ことになり、非常に危険だと指摘しています。

 こうした兵士はイラクにも派遣されています。報告は「バグダッドで(極右組織)アーリアンネーションズの落書きを発見した。問題だ」との国防総省担当官の声を紹介しています。


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