2006年6月30日(金)「しんぶん赤旗」

2万号迎える「しんぶん赤旗」

三井住友銀の金融商品押し付け

被害者の救済へ道開く


 三井住友銀行が「金利スワップ」という金融派生商品を融資先中小企業に押し付け販売していた問題は、業務の一部停止、被害者の救済へと発展しました。

 商業メディアが事件は報じても、被害者救済にもほとんど関心を示さないなか、日本共産党国会議員団と「しんぶん赤旗」の追及は大きな役割を果たしました。

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 「私も被害にあった」「銀行にものがいえない中小企業の悔しさを聞いてほしい」。「しんぶん赤旗」昨年十二月三日付一面トップをみた経営者から次々と赤旗編集局に電話がかかりました。公正取引委員会が独占禁止法が禁じる優越的地位の乱用にあたるとして、三井住友銀行に、排除勧告したニュースです。

 「あの事件の背景は、こう見たらいい」。元銀行員からも助言が寄せられました。三井住友銀行の行員による内部告発も日本共産党国会議員団に寄せられました。

 赤旗編集局経済部では、首都圏、大阪、福岡に記者が飛び、被害者から三井住友銀行との生々しいやりとりを取材しました。金利スワップ契約で約三千三百万円を三井住友銀行に払うことになった関東地方の中小企業経営者。「銀行に借金があり、担保をおさえられている。中小企業は銀行のどんな横暴にも黙って耐えなければならないのか」。怒りで声がふるえていました。他紙にはないリアルな実態と小泉内閣の金融行政の問題点にも踏み込んだ連載「投機的商品の押し付け 三井住友銀の手口」は「良く取材した実例が描かれている」(金融専門誌記者)と反響をよびました。

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 国会では、日本共産党議員団が、同問題をくりかえし取り上げ、与謝野馨金融相が委員会終了後、「共産党もいいところを突くよなあ」とつぶやく場面も。三井住友銀行の奥正之頭取が、五月になって、日本共産党議員の質問に被害者の補償は「真摯(しんし)に対応」すると表明するに至りました。同行が四月に内部調査結果を発表したさい、奥頭取が被害者救済は「考えていない」と発言したことを考えると、大きな変化でした。三井住友銀行は六月、独禁法違反が明白な事例については賠償し、疑わしい事例についても「金銭的な話し合い」に応じると表明しました。

 「(『しんぶん赤旗』の報道は)励ましになる」。本紙の読者になった、他の大手銀行の金融商品押し付けの被害者は語ります。「しんぶん赤旗」は、大手銀行の横暴に対し、声をあげ、たたかおうとしている人々の輪を広げる力となっています。

(大小島美和子)


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