2006年6月16日(金)「しんぶん赤旗」

過払い知らず自殺

日弁連シンポ 高金利被害を告発


 「高い金利を払い、みずからの命をたった母の借金は、払い終わっていたのです」―。日本弁護士連合会主催の「多重債務問題シンポジウム」が十五日、東京都内で開かれ、サラ金の高金利のため路上生活に追いやられた男性や、みずから命を絶った女性の遺族が、五百人以上の参加者を前に、被害実態を告発しました。

 出資法の上限金利(年29・2%)をめぐっては、利息制限法(年15―20%)まで引き下げるべきとの意見が金融庁などで大勢となる一方、貸金業界が強く抵抗しており、引き下げが実現されるかが注目されています。

 シンポでは、サラ金への返済ができず、督促(請求)から逃れて路上生活をおくっていたという六十代男性が被害を報告。男性は、利息制限法を超える金利を払い続けていたため、じつは路上生活になる前から債務はなく、最終的には七百万円以上の過払いになっていました。しかし、司法書士と相談するまで利息制限法を超える金利が無効だとは知らなかった、といいます。

 自殺も考えたという男性は「人生は取り戻せない。私みたいな人がいっぱいいると思う」と語りました。

 六十六歳の母親が、アイフルなど四社の債務を残して命を絶ったことを語った兵庫県の女性が訴えました。「母の借り入れは過払いになっていました。私の悲しみは怒りに変わりました。違法な金利を払っているとも知らず、何人の人がみずからの命を絶ったのか。お金は大切なもの。でも命までも取り上げられなければいけないのでしょうか」

 金融庁の「貸金業制度等に関する懇談会」委員の上柳敏郎弁護士は、同懇談会では、サラ金側が借り手に貸し込んでいるなどの実態やデータを分析したうえで、多重債務解決のため「上限金利を利息制限法まで下げるべきとの結論を出した」と報告しました。

 日弁連の平山正剛会長があいさつ。日本共産党の仁比聡平参院議員、自民、民主、公明、社民の各党議員があいさつしました。


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