2006年6月16日(金)「しんぶん赤旗」

W杯 ライン通信

WORLD CUP 2006

「しんぶん赤旗」W杯現地取材チーム(和泉民郎、勝又秀人、中村美弥子)がお伝えします。

鼓動 ドイツ発

W杯ライン通信

若者に限定 格安の宿泊施設


写真

(写真)ティム・リュッツェンさん(右)と父親で総責任者のマヌエルさん=12日、ベルリン

 先月開業したばかりのベルリン中央駅からわずか徒歩十分。「ポストシュタディオン」と呼ばれる競技場のグラウンド一面に白い大型テント百五十張りが並んでいます。国際サッカー連盟(FIFA)公認のキャンプ場です。サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会の期間中、世界中から集まる若者のために安価な宿泊施設を提供しています。

 「違う国から来た若者が寝食をともにし、W杯を楽しめるのは素晴らしいことです」。キャンプ場運営スタッフのティム・リュッツェン副責任者は語ります。宿泊客は十七カ国から来ているといいます。「これまでのところ、何のトラブルもなく順調な滑り出しです」

 キャンプ場は、十六―二十七歳の若者のみが利用できます。宿泊料金は朝食込みで一泊十二ユーロ(約千七百円)。「W杯を楽しむのにお金の有り無しは関係ないのです」とリュッツェンさん。採算は度外視して運営しています。

 屋外に設けられた大型スクリーンで試合を観戦していたグループは、アルゼンチンとスペインから。このキャンプ場で知り合いました。「W杯があったからこそ出会えた仲間」と大きな笑顔をつくりました。

 「要求に基づき少しずつサービスを改善しています。世界中の若者と一緒に最後までW杯を楽しみたい」。リュッツェンさんは期待を膨らませています。

(ベルリン=中村美弥子、写真も)


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