2006年6月12日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

私の好きな数は9

九条の会 初の青年交流


 「学生や職場、地域の人たちと交流できて励まされた」「聞いた経験を生かし、帰ったら会をつくりたい」。全国から集った若者たちが、生きいきと語ります。「九条の会」として初の全国交流集会が東京都内で開かれた十日夜、「若者のつどい」も初めて計画され、会や平和サークルの代表ら約百人が参加。講演を聞き、九つに分かれた分散会討論、「朝まで討論」では経験を交流、九条ファッションショーも行われました。(伊藤悠希 写真・吉武克郎)


ファッションショーでアピール

 「あなたの好きな数字は何ですか。私の好きな数字は“9”です」―。兵庫のProject Article9の代表・井澤美穂さん(30)の進行でファッションショーが始まりました。「世界平和を希求します。戦争放棄の9条」と英語で書かれたTシャツを着た男女。背番号“9”のユニホーム。“9”をつけたタンクトップ。戦争放棄をもじり、ほうきのアプリケをつけた帽子。ベルト、ブローチ、イヤリングにも“9”。

 男女十六人のモデルが次々に登場します。バンド「jamzIp」の「article9(アーティクルナイン=第九条)」の音楽に合わせ、モデルたちは背中の“9”を見せたり、くるりと回ってポーズをつけます。

 モデルになったフィジーの留学生ディパルさん(21)は「井澤さんとの出会いは二〇〇四年の原水爆禁止世界大会。連絡を取り合っていて今回モデルにならないかと誘われました」。ディパルさんはフィジーで反核運動をしています。「平和運動のイメージを変えて若い人に広げたい」

 モデルはProject Article9の会員や知り合いに呼びかけます。九条のことを知らない人でもモデルには快く応じてくれ、広がっていきます。

 井澤さんはショーの最後に言いました。

 「“9”をつけた服やアクセサリーはいつもつけています。すると九条について話すきっかけになって今では職場の人全員が九条の会員です。九条Tシャツは簡単。作ってみてください」


分散会で真剣議論

大学で「会」どう広げる?

学生たち

 学生たちの分散会では、「九条の会をどうやって立ち上げるのか」「学ぶことをどう軸に据える?」などの質問が続出。一時間半、熱のこもった話し合いが続きました。

 「会を作るにはどうしたらいいのか」。率直な質問に、会を作った大学から発言が相次ぎます。

 「賛同者を募り、教員には名前を出してもらいました。賛同者は八十人くらい。五、六人集ったら立ち上げた方がいい」(早稲田大学・女性)「勉強会だったら、てまひまかからない。十回くらいやれば学生の信頼も得られます。大きくしてからと思うとなかなかできない」(東大・男性)

 討論のヤマ場は、学生のなかに会をどう広げるか―。「やる気のある人を募集する?」「主体的に働きかけていく人をどうつくるかがカギ」。討論に加わっていた東京・下町の平和サークル「P魂S(ピーソウルズ)」の女性がいいました。

 「なぜ九条が大事なのか、平和でいたいのかを、日々の生活のなか、自分の語りでどう広げていけるか。戦争体験者を呼んで話を聞くこともいいのではないですか。一人ひとりが力です」

 参加した千葉大の女子学生は「主体的に、根気強くやることが切り開く道なんだと思いました」と笑顔で語ってくれました。

若い世代に何ができるか

働く人たち

 職場で働く人たちが集まった分散会。「『九条の会』全体の平均年齢が六十歳、若い世代に何ができるかがキーワード」。チューターの発言で始まりました。

 石川県から参加した「9Peace」の病院で働く男性は若い医療関係者、学生などを中心に地域で活動している経験を紹介。昨年のクリスマスイブに九条キャンドルをして反応がよかったこと、今年の三月に三十人くらいの参加で九条改憲に賛成か反対かのシール投票を街頭で行ったことを、当時撮影した写真を見せながら話しました。

 九条キャンドルは九条茶のペットボトルのカバーを再利用し、真ん中にろうそくを立てて、町行く人に火をつけてもらう取り組みです。「カップル、親子連れなど人も多く、勧めると参加してくれました。火をつけている間に九条について話すんです。このことは地元紙で紹介されました」

 神奈川県の教員は「昨年はじめて広島へ行って被爆者の話を聞きました。そのときの体験をクラス通信に書いたら、子どもが自分も行きたいといって旅行計画を立て、家族で広島の原爆資料館へ行ったんです。職場は平和について話しにくい環境。自分の言葉に変えて伝えると、子どもにはきちんと届くんだと実感しました」と発言しました。


世界平和の担い手に 全体会講演

 「つどい」の全体会では、「九条の会」事務局の小沢隆一さんと韓国・韓半島平和のための市民ネットワークの安天(アン・チョン)さん、中国の林少陽(リン・ショウヨウ)さん(東大教養学部特任助教授)が講演し、東アジア、世界の平和を訴えました。

 小沢さんは憲法九条とは何か、平和をどう構築するか、などについてのべ「憲法九条がめざす豊かな社会をつくっていくのはみなさんです」と若者へ期待を込めました。

 安さんは、韓国と北朝鮮ができた歴史を理解してほしい、と詳しく紹介。憲法九条の精神で共に平和を勝ち取っていくことの意義を説きました。

 林さんは、中国では平和憲法をはっきり意識する人たちが増えていると報告。日中の新しい関係をつくっていくのは若者たちと強調しました。


交流会、やってよかった

 「九条の会」事務局長、小森陽一さん(東大教授)のあいさつ いろいろな集まりで、「若者はどうしている」と聞かれることが多いんですね。若者自身が、はっきり意思表示できる場をつくろう、と今回、交流会を計画しました。みなさんの濃密な話し合いをみて、やってよかったと思います。来年はみなさんの力で成功させてほしい。一年間、職場、地域、学園で運動を広げましょう。


お悩みHunter

自立を強く促す両親家を出るのは普通?

  両親から「家を出て自立しなさい」とうるさくいわれています。働いて三年目になり、給料もそんなに悪くないので、自立しようと思えばできないことはありません。でも、もう少し家から通って、お金をためてからと思っています。親は「家を出たがるのが普通でしょう」といいます。それが「普通」なのでしょうか。(25歳 女性。埼玉県)

「普通」にこだわる必要ない

  あなたと両親との考えに、違いがあるのではないでしょうか。あなたが、自身の将来を考えて描き、行動している未来予想図と、両親が描く家族の未来予想図との違いですね。

 両親が家族の将来をどのように描いているのか、あなたの方からも考えてあげることが大切だと思います。

 また、あなたは「家を出たがる方が普通」という両親の言葉に疑問を抱いているようですね。両親がそう言うのは、あなたの将来を心配していることの表れではないでしょうか。

 私は「普通」と言うことばの概念には、こだわる必要はないと思います。なぜなら、「普通」とは、それぞれの環境や価値観でかなり変わってくるものだと思うからです。一度じっくり両親の考えを聞いてみてはどうでしょうか?

 両親の「普通」とあなたの「普通」が、どのように違うのか。おたがいの「普通」を理解しあうことは、おたがいの将来にとても大切なことだと思います。

 その上で、あなたに経済的余裕があり、もう少し家にいたいと思うのであれば、家賃や光熱費として、両親にいくらかお金を納めるという方法もあります。

 そうすれば、同居していても「心の自立」につながっていくことになるのではないでしょうか。


舞台女優 有馬 理恵さん

 「肝っ玉お母とその子供達」など多くの作品に出演。水上勉作「釈迦内柩唄」はライフワーク。日本平和委員会理事。


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