2006年6月6日(火)「しんぶん赤旗」

地元「真相解明早く」

容疑者逮捕も不安消えず


 わずか一カ月余の間に、二人の子どもの命が失われた秋田県藤里町。人口五千人に満たない小さな町は、犯人逮捕が長引くなかで不安を強めてきました。容疑者が逮捕され、ほっと安どする一方、「それにしてもなぜ?」と不審の声が広がっています。(阿曽隆)

 「容疑者逮捕と聞いて驚きました。しかし、どうしてそんなことをしたのか。理解できません」

 能代市の五十代の男性は、いぶかしげに語りました。殺害された男児の父親と仕事上の交流があるというこの男性は、「それにしても男児の短い人生を思うとかわいそうです。早く事件の真相を解明してほしい」と話しました。

 容疑者は逮捕されたものの動機や四月に水死した容疑者の小四の長女との関連など、不明な点が多く、事件の全容解明はこれから。住民の不安が解消されたわけではありません。

 団地付近に住む男性は、「真相がはっきり分かるまでは、どうにも落ち着かない。マスコミに囲まれる生活も終わりにして、早く元の静かな町にもどってほしい」と心配顔で話しました。

 保護者は事件発生後の先月十八日以降、小学校まで子どもを送り迎えするように。県は小学校にカウンセラー二人を派遣し、子どもたちの心のケアにあたっています。

 保護者の一人は語ります。

 「子どもを一人で遊ばせられない状況が長く続いています。こういう状態が子どもの心の傷にならないか心配です」


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