2006年6月2日(金)「しんぶん赤旗」

3分離れただけでも警告の紙

走って配達 汗だく

駐車違反取り締まり 民間委託スタート


 改正道交法に基づく駐車違反取り締まり事務の民間委託が一日始まり、民間駐車監視員が午前、全国いっせいに活動を開始しました。初日は、民間委託している二百七十署のうち二百六十四署で監視員約千五百八十人が活動しました。しかし、各地で端末が動かなくなるトラブルで活動を一時中止する地域も。一部の道路では駐車車両が減りましたが、ドライバーらからは不満の声も聞かれました。


運転手“駐車場もっと”

 大阪では、午前九時半ごろから大阪市中央区の大丸百貨店前などで監視員十二組二十四人が緊張した表情で活動を始めました。

 乳製品が山積みの台車を押して走っていた男性トラック運転手(29)は、「いつもは店の前に止めているのに、今日は遠くに止め、二人掛かりで大急ぎで運んでいる。駐車場をもっとつくってからやってくれないと」と汗だくで話しました。

 監視員は、二人以上が一組になり、繁華街や駅前などで違法駐車を見つけ次第、標章の張り付け作業を行います。現場に戻った運転者とのトラブルも予想されるため、大阪などでは警察官が当面同行します。

 飲食店が多い東京都新宿区の歌舞伎町。軽ワゴン車で配達にきた酒店店主は「今日から車にはる『配達中』の紙を一回り大きくした。違法駐車を取り締まるのは賛成だが、機械的にならないでほしい。業者はみんな納得していないのではないか」と不満をのべました。

 コンビニやファストフード店などが並ぶ東京都渋谷区の青山通り。テナントビルの前には配送中のトラックなど四、五台が止まっていましたが、多くは配達担当とは別に運転手が残っていました。

 監視員がナンバーを撮影したところで戻ってきたドライバー(56)は「三分ほど離れただけなのに警告の紙を渡された。フロントに『配達中』と出していたが、何の意味もなかった」と困惑顔でした。


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