2006年5月30日(火)「しんぶん赤旗」

先制攻撃論を批判

マレーシア首相 非同盟閣僚会議で演説


 【ハノイ=鈴木勝比古】非同盟諸国会議議長国マレーシアのアブドラ首相は二十九日、プトラジャヤで開会した非同盟調整ビューロー閣僚会議で基調演説を行い、「諸大国がテロとのたたかいでとっている行動は明らかに国際法と文明社会の行動規範に違反している」と批判しました。

 同首相は「人道介入、防衛責任、先制攻撃戦争などの考えを含む新しい概念と教義がわれわれに押し付けられている」とし、「これらすべては、国連憲章に明記された伝統的、普遍的に受け入れられた概念に対する挑戦である」と指摘。「今日、国際関係で単独行動に訴える傾向がある。これは国連安保理の承認が得られない時に国連の枠外で行動するものである」と批判し、「われわれはこうした傾向に反対し、国連憲章に明記された諸原則を擁護する」と強調しました。

 アブドラ首相は、非同盟運動と発展途上諸国の組織である「77カ国グループ(G77)+中国」の協力を強化して「その潜在力を最大化」し、「途上国がもはや排除されないよう保障する」ことを訴えました。そして「重要な諸課題に関するわれわれの関心や声が主要国首脳会議(G8)などで取り上げられる必要がある」と指摘しました。

 同時に貿易の分野で、途上国間の協力を強化することの重要性を強調し、「途上国が国際貿易システムの主流に加わる」意義にふれました。

 非同盟閣僚会議は二十九、三十の両日、最終文書案を討議し、採択します。今回の会議は九月にハバナで開催する非同盟諸国首脳会議の準備を目的としています。


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