2006年5月29日(月)「しんぶん赤旗」

脱走英兵1000人

イラク開戦前の3倍


 【ロンドン=岡崎衆史】英BBC放送は二十八日、二〇〇三年三月のイラク戦争開始後、千人を超える英兵が脱走したことを明らかにしました。

 脱走の理由がイラク派遣を拒否するためなのか、その他の理由なのかは不明。政府側は、脱走兵の増減について詳細な統計はないとしています。しかし、与党労働党のマクダネル下院議員は二十二日、国会で、イラク戦争後に脱走兵が三倍になったと述べています。イラク戦争と脱走増加の関係は否定できません。

 BBCが伝えた政府公式統計によると、脱走兵数は、二〇〇五年だけで三百七十七人、〇六年はすでに百八十九人に上りました。イラク戦争開始後脱走し、いまだに拘束されていない英兵は約九百人に上るといいます。

 脱走者が増える中、政府は脱走兵に最大終身刑まで科す法律の制定を目指しています。

 これに対して、マクダネル下院議員は「(法案は)全くイラク戦争についてのものだ」と指摘。戦争開始後増える脱走や派遣拒否を罰則強化で封じ込めようとする政府を批判しました。

 BBCは、軍法会議での兵士側の弁護人の元にも、イラク派遣を回避するための相談が増えていると報じています。英国防省によると、イラクに駐留する英兵は今月末までに、これまでよりも八百人少ない約七千二百人になります。


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