2006年5月29日(月)「しんぶん赤旗」

収入分配制度改革へ

中国 所得格差是正で検討


 【北京=菊池敏也】中国では国民の収入格差の拡大が社会的な問題になっていますが、二十六日に開かれた中国共産党政治局会議は、「収入分配制度の改革と収入分配秩序の規範化の問題」を討議しました。

 新華社の報道によると、同会議では、科学的で合理的、公平かつ公正な社会の収入分配システムをつくることは「最も広範な人民の根本利益にかかわり、広範な幹部・大衆の積極性・自発性・創造性の十分な発揮にかかわる」として、重視して取り組むべき課題であることが強調されました。

 また、「労働に応じた分配」を主体に「多様な分配方式」が並存するこれまでの分配制度を堅持。一方、「社会的公平」により重点を置き、分配の枠組みを合理的に調整することを通じて、「国民全体が改革・開放と社会主義近代化建設の成果を享受できるようにする」としています。

 「収入分配制度改革」を通じて、「低収入者の収入水準を高めることに力を入れ、中レベルの収入者を拡大し、高すぎる収入は効果的に調節し、非合法な収入を取り締まる」ことを提起。地域間や階層間の収入格差が拡大の趨勢(すうせい)を示していることに対しても、その緩和のために努力するとしています。

 同会議では、公務員の給与制度の改革を進めるとともに、退職者の年金についても適切に引き上げる方向性が打ち出されました。


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