2006年5月28日(日)「しんぶん赤旗」

耐震偽装

専門家ら国責任問う

欠陥住宅全国ネットが大会


 欠陥住宅被害全国連絡協議会(欠陥住宅全国ネット)は二十七日、静岡市内で第二十回大会を開きました。全国から、弁護士、専門家、欠陥住宅の被害者など約百四十人が参加しました。同大会は二日間の日程で、初日のこの日は、耐震強度偽装事件がテーマ。生活再建が困難な被害者の実態が報告され、国や地方自治体の責任を問う発言が相つぎました。

 「耐震偽装被害の実態と救済のあり方」と題したシンポジウムでは、耐震強度が偽装されたマンション「グランドステージ千歳烏山」=東京・世田谷区=の被害住民が発言。「区が提示した建て替え費用は約二千万円。すでに五千万円のローンがある。国と銀行に負担が少なくなるように求めたい。訴訟も検討しなければならない」と語りました。

 立命館大学大学院法務研究科教授の松本克美氏は、偽装事件における国の責任について、偽装を見逃した民間検査機関に対し「国が指導や監督を果たしていなかったのではないか」と指摘しました。

 会場からの発言では、偽装されたマルコ静岡ビル=静岡市=のオーナーが訴えました。「静岡県が一・二倍の強度を指導しているにもかかわらず、イーホームズは一・〇の強度で審査していました。そのうえに偽装で強度は〇・二七。あまりにひどい審査です。なのに国、自治体からは何の支援もない」

 都市科学研究所の鈴木繁康所長は講演で「(偽装事件は)株式会社に検査を任せれば当然」と建築確認の民間開放を批判しました。鈴木氏は東京都都市整備局の元職員。「(民間開放問題で)国は日本建築行政会議に意見を求めた。わたしはその場で、いろいろ反対意見を出した。ところが国は『反対意見はいらない』ということだった」とのべ、国の姿勢を批判しました。

 あいさつした全国ネット幹事長の吉岡和弘弁護士は「国、行政、銀行の責任を明確にする必要がある」と訴えました。


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