2006年5月23日(火)「しんぶん赤旗」

事件リポート

埼玉・草加市長 暴力団と癒着

市役所が恐喝の舞台

仲介役会社の受注急増


 市長との関係が指摘されている暴力団幹部が市庁舎内を舞台に市発注工事がらみの恐喝で百万円脅し取る――。埼玉県草加市(木下博信市長)で、前代未聞の恐喝事件が起きました。告発も警察への連絡もせず、「穏便に」とあっせんするなど、暴力団に屈服した市の姿勢が問われています。


 恐喝事件が起きたのは昨年四月四日。指定暴力団、住吉会系暴力団幹部の藤沢一賀容疑者(41)が市役所を訪れ、市発注の雨水管設置工事で「現場に散らばっていた石でベンツに傷が付いた。こんな業者を使うな」と要求しました。

 これに対して市の幹部職員は、藤沢容疑者の知人で、市の公共工事を多数受注している建設会社役員(45)を仲介者としてよびだし、解決策を相談しました。

 仲介役の会社役員は「百万円出せば何とかなる」と、工事を請け負った会社に持ちかけました。工事を請け負った会社の社長は「お金を払う必要はない」と思ったものの、「市側から、穏便に済ませたいと言われた」という社員の報告をうけ、市役所駐車場で百万円を会社役員に支払いました。

 同容疑者らは今年四月十九日、埼玉県警捜査四課と草加署に恐喝容疑で逮捕され、市役所などが家宅捜索されました。事情聴取された市職員はのべ五十九人、押収された書類は百十四件にのぼります。

携帯で話す仲

 木下市長は五月一日、同容疑者との関係を市議会に報告。携帯電話で話をする関係にあり、初当選した二〇〇一年市長選挙から面識があったことを明らかにしました。仲介した会社役員とは「選挙を手伝ってもらった」関係と報告しています。

 日本共産党の大野ミヨ子市議の調査によると、仲介役をした建設会社は、〇一年市長選挙で市長を応援した直後から受注実績が急増し、二〇〇一年は四件で二〇〇〇年度比二・四倍の八千三百六十八万五千円に。その後は毎年一億円を超し、〇五年度には九件、一億七千四百三十万円に急増しています。

 市は〇二年二月から今年三月まで、同容疑者から公共工事や市の安全管理に関する「苦情、通報」を十三件受けています。「苦情」の対応はいずれも公共工事を発注する部署。〇五年九月、同容疑者から「ベンツに道路の化粧板が跳ねて車に傷が付いた」と損害賠償金百四万円を要求され、市は同額を支払っています。

 昨年十二月議会では、この百四万円を支払う案件について、日本共産党だけが反対。自民・保守、公明、民主など各党の賛成で可決しました。

税金無駄遣い

 「市のお金が無駄遣いされている。絶対に許されない」と怒るのは年金者組合草加支部長の石井雄一さん(73)。「苦しい年金生活者に市が援助するなど福祉に使うべきだ」といいます。

 市議会は今月十二日、地方自治法にもとづく調査特別委員会(百条委)を設置。(1)暴力団が市に持ち込んだ十三件の「苦情」の内容と市の対応(2)市長と暴力団や仲介役建設会社との癒着疑惑(3)暴力団に百四万円支払った経過と市長の保険会社口利き疑惑――などについて解明します。

 大野市議は「昨年十一月、市の助役が収賄容疑で逮捕され、今年四月に有罪判決が出たばかりです。その上に市長と面識のある暴力団幹部の逮捕。市長は直ちに辞職すべきです。事件の徹底解明と議会内外で市政刷新の世論を起こしていきます」と話しています。


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