2006年5月21日(日)「しんぶん赤旗」

汚泥談合組織

11社で87%受注

国庫補助事業5年間の62件

荏原8件でトップ


 自治体などが発注した、し尿・汚泥処理施設をめぐる談合事件で、二〇〇四年度までの五年間に発注のあったおもな建設工事のうち、九割近くを、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で捜索された大手プラントメーカー十一社のいずれかが受注していたことが、二十日、わかりました。

 本紙が入手したのは、財団法人「日本環境衛生センター」がまとめた「し尿処理施設・汚泥再生処理センター受注実績表」。静岡県の「西豆(さいず)衛生プラント組合」(西伊豆、松崎両町)が建設中の「し尿・浄化槽汚泥処理施設」(〇五年二月入札)の基本計画策定を請け負った同センターが同組合の議会に提出した資料です。

 これによると、二〇〇〇年度から〇四年度の五年間にあった国庫補助事業の受注件数は、年度ごとに十四件、九件、十件、十二件、十七件の計六十二件。施設規模は一日あたりの処理量が二十一―五十キロリットルです。

 大阪地検特捜部が競売入札妨害容疑で強制捜査に乗り出している大阪府阪南市の施設を二十億四千万円で落札した荏原製作所が八件を受注していてトップ。関係者によると、し尿・汚泥処理施設の談合組織は荏原、住友重機械工業、クボタ、アタカ工業、栗田工業の五社がほぼ半年交代で幹事と副幹事を担当し、受注調整を行っていたといいます。住友重機械工業、クボタ各七件、アタカ工業、栗田工業各五件と、いずれも上位を占めています。(表参照)

 三十年ほど前に成立した談合組織は「NS会」と呼ばれています。当初、談合に加わらず、「アウトサイダー」とされ、〇四年に同会に加わった三井造船とタクマは、それぞれ七件、二件でした。

 このほか、公正取引委員会と大阪地検特捜部の家宅捜索を受けた企業は、三菱重工五件、JFEエンジニアリング四件、日立造船、西原環境衛生研究所(現西原環境テクノロジー)各二件。

 これら談合組織を構成し、いずれも捜索を受けた十一社の受注件数は、あわせて五十四件、じつに87・1%を占めています。

 公取委は、独禁法違反での刑事告発に向けて、十一社で談合したとみられる静岡県・西豆衛生プラント組合の、処理施設など〇五年の八件程度の入札について、調べているとみられます。


し尿処理施設・汚泥再生処理センターのおもな受注実績

会社名件数
荏原製作所
住友重機械工業
クボタ
三井造船
アタカ工業
栗田工業
三菱重工
JFEエンジニアリング
浅野工事
タクマ
日立造船
三機工業
西原環境衛生研究所

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