2006年5月3日(水)「しんぶん赤旗」

移民規制反対 ロス65万、シカゴ40万人

公正な法を求める


 【ワシントン=鎌塚由美】米国の不法移民規制強化に反対する一日の行動は全米規模のものとなりました。中南米からのヒスパニック系移民が多い西部カリフォルニアのロサンゼルスでは、約六十五万人(警察発表)がデモと集会に参加。集会ではメキシコ移民二世のビヤライゴサ市長が演説し、「私たちが声を一つにして求めるのは、超党派で公正、道理ある移民法改正だ」と訴えました。


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(写真)不法移民の取り締まり強化に反対しワシントンでの集会に参加した人々=1日(鎌塚由美撮影)

 「移民なしでの一日」と銘打たれたこの日の行動では、デモ・集会だけでなく就業拒否や購買拒否などのボイコットを呼びかける団体もありました。ロサンゼルス市とその周辺地域では、多くのレストランや市場が休業し、同市中心部では、その割合が三軒に一軒となりました。

 高校生も学校をボイコット。カリフォルニア州では欠席率が70%に達した学校が出ました。

 多くの移民労働者が働く食肉加工産業などでは工場の操業停止に追い込まれたところも。大手のタイソン・フーズやカーギルは約二十の工場を操業停止したといいます。

 中西部の大都市シカゴでは、約四十万人が行進。中南米系に連帯し、アイルランド、東欧、アフリカ諸国からの移民労働者も加わり、移民法の包括的改革を要求しました。

 ニューヨークでは、市内各地で「人間の鎖」がつくられました。参加者は、「移民の権利は、労働者の権利だ」と声をあげました。

 首都ワシントンでは、メーデーを祝い、移民労働者が集会を開きました。会場となった市内の公園では移民法の包括的改革を求める署名を集めました。

 建設労働者のカルロス・アラルコンさん(39)=グアテマラ出身=は、仕事を休んで参加。兄弟五人で米国に出稼ぎに来て十年です。「米国は移民の国だ」と英語で書いた看板を持参し、「移民労働者を合法化してほしい。家族を呼び寄せたい」と語りました。


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