2006年4月29日(土)「しんぶん赤旗」

教基法改悪案を提出

国家が教育に介入

政府 今国会成立狙う


 政府は二十八日、教育基本法の改悪案を閣議決定し、国会に提出しました。与党は大型連休明けの五月九日にも審議入りを目指すとしています。審議時間を確保しやすい特別委員会を衆院に設置し、今国会での成立を狙っています。教職員組合や市民団体は成立阻止を掲げ、国会請願デモや座り込みをおこないました。

 教育基本法は一九四七年、戦前の軍国主義・国家主義的な教育が、国民を侵略戦争に駆り立てたことへの反省に立って制定されました。制定以来、改悪の動きはたびたびありましたが、改悪案が国会に出てくるのは今回が初めてです。

 改悪案は、前文と十八条で構成されています。

 前文では、現行法の「(憲法の)理想の実現は、根本において教育の力にまつ」とした部分を削り、「公共の精神」、「伝統を継承し」などを新たに盛り込んでいます。

 「教育の目標」に「我が国と郷土を愛する…態度」など多数の“徳目”を列挙し、その「達成」を求めています。

 政治権力による教育への「不当な支配」を禁じた現行法第一〇条を、国の教育への介入を公然とすすめる内容へと改変しています。

 小坂憲次文科相は二十八日の閣議後の記者会見で、「成立に全力を尽くしていきたい」と表明しました。自民党は、特別委員長に森山真弓元文相をすえ、委員に森喜朗前首相ら歴代文相経験者を多数送り込むことにしています。

 憲法と一体に戦後日本の平和と民主主義の土台となってきた教育基本法の精神を、百八十度転換させる重大な改悪であり、批判の声が強まっています。


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