2006年4月26日(水)「しんぶん赤旗」
ドイモイ推進を宣言
ベトナム共産党大会が閉幕
【ハノイ=鈴木勝比古】十八日からハノイで開催されていたベトナム共産党第十回大会はノン・ドク・マイン書記長を再選、新指導部の下でドイモイ(刷新)、汚職追放を推進する決意を宣言する大会決議、規約改正を採択して二十五日午前に閉会しました。
マイン書記長は閉会のあいさつで「党の指導能力を高め、ドイモイを全面的に推進し、早期に経済の立ち遅れを克服し、二〇二〇年の近代的工業国化の基礎をつくり出す」よう呼びかけました。そして「大会は国の発展の事業のためのあらゆる分野の重要な政策を採択した」と述べました。
さらに「清潔で、強固な党を建設し、汚職阻止のたたかいをすすめ、国家の機構を健全化する」よう訴えました。
規約改正では、「党員の個人経営」を認めました。同時に、党員が党の規約、国の法律を守って、健全な経営を行うよう強調しています。グン・フー・チョン政治局委員は二十四日、地方にはこの規約改正の意義を理解しない党員がまだいると指摘し、理論的に正しく説明するよう提起しました。
またベトナム共産党を「労働者階級の党」であると同時に「勤労人民と民族の党」であることを規約に明記しました。規約改正採択の直前に代議員が次回の大会では大会が直接、書記長を選出するように党規約を改正することを提案。大会議長団は新中央委員会が検討することを約束しました。
前日(二十四日)午後の第一回中央委員会会議は同日午前の大会代議員による書記長推薦の参考投票の結果を踏まえて、長時間にわたる討議を経て、マイン書記長らの新指導部を選出しました。
解説
汚職問題を討議 信頼回復が課題
今回の党大会では汚職問題が最優先の課題として正面から討議されました。代議員からは「党の戦闘力が弱く、汚職がまんえんし、組織がまひしている」「汚職、浪費、いやがらせは、以前は経済部門の若干の幹部に限られていたが、今ではすべての部門、すべての領域に広がっている」など、厳しい意見が続出しました。
この討論を受けてグエン・フー・チョン政治局委員が二十四日、汚職が「党の死活問題」であることを認め、新中央委員会が汚職とのたたかいの先頭に立つことを約束しました。党政治局は汚職追放への「強力な権限を持つ組織の創設を」を含む汚職対策の特別決議を採択することになります。
今回の大会前に党大会にあてた数万件の意見が党内外から党中央や各メディアに寄せられ、憲法に明記された「党の指導権」規定や「党の民主化」、「法治国家の建設」など党と国にとっての重要な問題について率直な見解が述べられました。大会直前にはレー・カー・フィエウ元書記長、ボー・グエン・ザップ将軍など党の現状を憂える長老が大会が汚職問題を避けないよう直言しました。
「党大会に関してこれだけ民主的に討議が発展したことは初めて」とトゥオイチェ紙(共産青年同盟ホーチミン市委員会機関紙)のフイン・ソン・フオック副編集長が語りました。「国民が率直に意見を出し、党が耳を傾ける出発点になった」と語ります。
今後の課題は大会が採択した民主化、汚職追放、党の清潔化などの実行です。これまでも「汚職追放」が強調され、国会が「汚職防止法」を採択しましたが、効果をあげていません。党員の「批判、自己批判」による党の質的強化も繰り返し強調されてきましたが、十分な成果をあげていません。ホアン・トゥン元ニャンザン紙編集長は今回の大会の成果について一言「暫定的な成果だ」と語りました。
ベトナム共産党はドイモイ二十年の成果を基礎に「経済・社会の立ち遅れの克服」、「汚職で低下した党の信頼回復」などの課題に挑戦することになります。
(ハノイ=鈴木勝比古)

