2006年4月26日(水)「しんぶん赤旗」

シベリア抑留者補償法案

野党3党、共同提出

参院に


 日本共産党、民主党、社民党は二十五日、元抑留者などを対象に未払い賃金の補償を求めたシベリア抑留者補償法案、平和祈念事業特別基金廃止法案を共同で参議院に提出しました。

 法案は、▽シベリアなどへの抑留者に強制労働の対価として抑留期間に応じ特別給付金を支払う▽元抑留者らに慰労事業をおこなってきた平和祈念事業特別基金を解散し、特別給付金の財源とする―ことが柱です。

 第二次大戦後、フィリピンなど南方の連合軍の捕虜になり戦後帰国した人には労働証明書と引き換えに日本政府が賃金を補償しています。一方、シベリア抑留者は旧ソ連政府が労働証明書を発行しなかったために、未払い賃金が支払われていません。

 日本政府も旧ソ連やロシア政府に対して労働証明書の発行を要求せず、未払い賃金問題を解決する義務を怠ってきました。

 全国抑留者補償協議会(全抑協)の推計では元抑留者は約八万人、平均年齢は八十四歳です。

 政府は一九八八年に平和祈念事業特別基金を設立、書状と銀杯、十万円の慰労金を支給。昨年には与党が一人あたり十万円の旅行券を交付して同基金を解散する案を提示しています。

 日本共産党の小池晃参院議員は記者会見で「元抑留者の方々は高齢化しており、一刻も早い解決が求められている。元抑留者の方が求めているのは『慰労』ではなく『補償』です。この法案は“二度と再びこうした悲劇を繰り返さない”という決意を示すことになる」とのべました。


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