2006年4月23日(日)「しんぶん赤旗」

世界で死刑囚2万人以上

廃止の流れは広がる

アムネスティ


 【ロンドン=岡崎衆史】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は二十日、死刑についての統計を発表し、世界で死刑廃止の流れが広がっているとする一方で、いまだに二万人以上の死刑囚が存在することを明らかにしました。

 統計によると、死刑執行国は一九八五年に四十四カ国だったのが、二〇〇五年は日本を含む二十二カ国に半減。〇五年に死刑が執行された人数は〇四年の三千七百九十七人から大きく減り、二千百四十八人でした。また、〇五年に死刑判決を言い渡された人数は五十三カ国の五千八百十六人でした。

 ただし、アムネスティは、中国やベトナムなど多数の国が十分な統計を明らかにしていないため数字は概数だと指摘しています。

 死刑廃止国は一九七七年十六カ国だったのが、二〇〇五年には八十六カ国となりました。これ以外に、二十六カ国は過去十年かそれ以上にわたって死刑を執行しておらず、他の十一カ国は戦争犯罪など特別な場合以外死刑を廃止しているといいます。

 先進七カ国で死刑を採用しているのは日本と米国のみです。

 アムネスティは日本について、「虐待や犯していない罪の強制的な『自白』の後、何人もが死刑を宣告されてきた」と告発しています。

 アムネスティのカーン事務総長は声明で、「死刑は究極的な後戻りのできない人権の否定である」と指摘。各国政府が死刑に頼らない犯罪防止のための効果的な対策づくりを進めるよう求めました。


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