2006年4月15日(土)「しんぶん赤旗」

飲み食い支出違法

自民区議団に返還命令

東京地裁


 東京・品川区の自民党区議団が、政務調査費からカラオケスナックや回転すし店、懐石料理店などに飲食費を支出したのは違法だとして、区民が品川区議会事務局長に対し、同区議団に約七百七十万円を返還させるよう求めた住民訴訟の判決が十四日、東京地裁でありました。大門匡裁判長は、返還請求のあった全額を目的外支出と認め、延滞金を加え返還するよう命じました。

 判決によると、同区議団が政務調査費からバー、クラブ、スナック、パブに支出したことについて、「顧客が女性ホステス等を交えて飲酒、軽食、カラオケなどに興じる場所として利用されており、社会通念上、『区政に関する調査研究』のための会合を行うのに適切な場所といえない」と断定。居酒屋、懐石料理店、焼肉店、中華料理店、高級ホテルのレストランなどでの飲食についても「目的外支出」だと認めました。

 提訴したのは品川区民オンブズマンの会の古口昭代さん(66)ら三氏。自民党区議団が二〇〇一年度と〇二年度の二年間に、政務調査費から「研究費」と「会議費」の名目で支出した飲食費三百四十二件・七百六十九万八千九百九十五円を区に返還させるよう求めていました。

 原告の一人、桐島マサ江さん(社会福祉法人理事長)は「私たちの思いを全面的に認めてくれる判決で、うれしい。大切な税金は子どもたちや区民のために有効に使ってほしい」と語りました。

 全国市民オンブズマン連絡会議事務局によると、政務調査費の返還命令判決(地裁・高裁)のなかで、今回は三重県議、札幌市議に次いで三番目に多い金額だとしています。


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