2006年4月11日(火)「しんぶん赤旗」
伊総選挙 中道左派が優勢
出口調査 5年ぶり政権交代へ
【ローマ=浅田信幸】九―十日に投票が実施されたイタリアの上下両院選挙で、出口調査によるとプローディ元首相・前欧州委員会委員長を指導者とする中道左派連合「ユニオン」が上下両院とも得票率50―54%で優位に立っています。ベルルスコーニ現首相の率いる右派連合「自由の家」は45―49%にとどまると予想されます。
下院では全国的な得票率がそのまま議席に反映します。上院では州ごとのブロック選挙区になりますが、同出口調査によるとユニオンの予想獲得議席は百五十九―百七十議席で、右派連合百三十九―百五十議席を上回っています。
出口調査の段階でしかありませんが、これにより五年ぶりに政権交代が実現することがほぼ確実になりました。ユニオンを構成する左翼民主党のミリアバッカ書記局員は、「イタリアは変化を選択した。ベルルスコーニ時代は終わり、新しい局面が開かれた」と述べました。
選挙では、ベルルスコーニ政権の五年に対する国民の評価が問われました。出口調査通りの結果が出るとすれば、停滞する経済、賃金の購買力の低下による生活苦、さらに圧倒的多数の戦争反対世論に背いて米英のイラク戦争を支持し、戦後の治安安定化のために三千人の軍部隊を派遣した対米一辺倒の政策に対し、国民は拒否の回答を出したことになります。