2006年4月1日(土)「しんぶん赤旗」

民主執行部総退陣

窮地の自民救った責任は重い


 民主党の「偽メール」問題を発端とした国政の混乱から四十四日間。“たたかう集団”を宣言し最年少で党首に就任してからわずか半年余で、前原執行部は総退陣に追い込まれました。

 この通常国会では開会日(一月二十日)に特定危険部位が混入した米国産牛肉が見つかり、BSE(牛海綿状脳症)や耐震強度偽装など米国いいなりや規制緩和万能路線の自民党政治の破たんが明らかになっていました。

 小泉「改革」のもとで格差社会の広がりが深刻になるなど、内閣支持率は急落。NHK世論調査で昨年十月に59%だった支持率は、二月に47%になっていました。

 ところが、民主党が「四点セット」と銘打ったテーマの一つ、ライブドア問題で同党の永田寿康議員が二月十六日の衆院予算委員会で「偽メール」を取り上げたことで、形勢は一変しました。

 小泉首相は「ガセネタだ」とすかさず反論し、その後、民主党支持率下落に反比例して内閣支持率は上向きました。追いこまれていた小泉政権を、民主党の「偽メール」質問が救ったのです。

国会での追及放棄

 それだけではありません。マスメディアが「4点セット トーンダウン」と指摘したように、二〇〇六年度予算案が参院に移ると、民主党は小泉政治の追及を事実上放棄。三月六日の参院予算委員会での総括質疑で民主党の四議員が質問に立ちましたが、「四点セット」のうち取り上げたのはBSE問題だけでした。

 民主党は在日米軍に至れり尽くせりの「思いやり予算」を二年延長する新日米特別協定に賛成討論するなど自民、公明与党の悪政を支える役割を果たしました。

 根拠のないメールに基づく国会質問で野党としての追及の資格を失っただけでなく、予算成立までの節目で悪政を覆い隠し、政府・与党の窮地を客観的に救う役割を果たした「野党第一党」の責任は重大です。

 「偽メール問題」でも永田寿康議員はもちろん党の責任が問われます。

 メールの信ぴょう性を証明できないまま、前原氏は二月二十二日の党首討論で「確証がある」と言い切りました。しかし、その際に党としてまともな調査をしていないことが明らかになり、メールや口座情報はすべて偽物だったと党自身が認めるに至ったのです。

悪政競争の破たん

 前原氏は辞任表明会見で、党首討論の前の二月二十日に「野田国対委員長からメールが本物でない可能性が高いと聞かされた」として辞任を考えたとのべました。信ぴょう性が乏しいのを承知でメール問題の追及を続けたことになります。

 同時に前原氏は、辞任理由として問題を長引かせた「けじめ」と、「来年の統一地方選、参院選勝利が次の総選挙での政権交代につながる」と「政権交代」を口にしました。

 しかし、安全保障や社会保障など国の根幹にかかわる政策で「対案路線」を掲げ、自民党と変わらない悪政の競い合いをしてきたのが前原体制の半年でした。政府・与党の悪政を国民の立場で追及し、ただしていく野党の立場を放棄する路線の破たんともいえます。(古荘智子)


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