2006年3月29日(水)「しんぶん赤旗」
労組・学生 全国スト
若者解雇策の撤回要求
フランス
【パリ=浅田信幸】若者の解雇を容易にする政府の新雇用策(CPE)に反対するフランスの労組と学生団体は二十八日、いっせいに全国ストに突入しました。二月以来で四度目の共同闘争です。初の本格的な統一ストでCPE問題は最大のヤマ場を迎えています。
ストで最も影響を受けたのは交通機関と学校関係。国鉄では約30%のスト参加率で全国的に列車運行がまひし、パリでは地下鉄と市バスの運行が半分程度にまで減少しました。労組によると学校関係では全体でスト参加率は55%に達し、多くが休校となりました。
航空関係でもキャンセルが多数出ています。郵便、電力公社も相次いでストに突入。主要紙は発行を取りやめ、国営テレビ・ラジオも労組は「情報ゼロの日」を提起し、ニュース専門局は朝から音楽を流し続けました。
行動は八主要労組と四学生・高校生組織が共同で提起したもの。全国百三十五カ所で行われたデモは各地で最高の参加者数を記録しました。
ドビルパン首相は二十七日、労組・学生組織代表に二十九日に会談を提案。批判が集中する「二年の見習い期間」と「解雇手続き」の問題を論議することを初めて示唆しました。しかし労組指導部や学生組織代表は「撤回」を主張しています。
同首相は四月初旬からの学生たちの春休みと「闘争疲れ」を当てにしているとも伝えられます。
フランスの新雇用策「初採用契約(CPE)」 ドビルパン首相が青年の雇用を促進するためとして一月半ばに打ち出した新政策。二十六歳未満の青年について企業に社会保障負担分の三年間免除などの特典を与え、通常一―三カ月の「試験採用(見習い)期間」を二年間に延長、この間の解雇を自由にする内容。「若者を使い捨て労働者にするもの」「不安定雇用拡大」との批判が強まっています。