2006年3月26日(日)「しんぶん赤旗」

核先制使用ありうる

米統参本部が戦略文書


 米統合参謀本部は二十四日、「大量破壊兵器とたたかう国家軍事戦略」と題された戦略文書を発表しました。大量破壊兵器の脅威に対処するために核兵器を先制使用することもありうることを明らかにしています。

 今回の文書は、ホワイトハウスが十六日に発表した「米国の国家安全保障戦略」などの各論の一つ。大量破壊兵器とたたかう「八つの任務」として、(1)攻勢作戦(2)廃絶作戦(3)阻止作戦(4)能動的防衛(ミサイル防衛など)(5)受動的防衛(6)結末管理(7)安全保障協力・パートナー活動(8)脅威削減協力―を挙げています。

 このうち「攻勢作戦」では、「大量破壊兵器の脅威や使用を抑止、打破するため」に「核兵器」が「含まれる場合がある」と述べ、核先制攻撃がありうることを認めています。

 また、「一部の標的を打破するには特殊な能力が必要だ」とし、「地下深くにある強化された標的を打破する能力」や、「付帯的影響なしに化学・生物兵器を打破あるいは無効にする能力」などを例示しています。これらは、核兵器の使用を念頭に置いたものとみられます。

 「廃絶作戦」は、「攻勢作戦では民間人や米軍・同盟軍に受け入れがたいリスクが及ぶ」場合に実施されるもの。「兵器、素材、運搬手段の無害化や破壊」を意味するとされています。

 文書は、大量破壊兵器とのたたかいで同盟国やパートナーの動員を重視しています。(坂口明)


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