2006年3月25日(土)「しんぶん赤旗」

守った 赤ちゃんの病院

10万署名・パレード・座りこみ

お母さん がんばる


熊本市立産院

 廃止条例が提案されていた市立産院の存続が熊本市議会最終日の二十四日決定され、母親らから喜びの声が上がりました。

 同産院は、児童福祉法にもとづく県内で唯一の助産施設で、妊娠から出産、産後ケアまで一貫して取り組んでいます。二〇〇二年には、ユニセフ・WHOが「母乳育児を成功させるための十カ条」を満たす施設として「赤ちゃんにやさしい病院」と認定しています。

 熊本市が「赤字」などを理由に廃止を進めようとしたことに対し、母親らが反対に立ち上がり、昨年三月には超党派の女性議員が、存続を求めるアピールを発表。呼びかけに応えて「市立産院の存続を求める実行委員会」がつくられ、署名運動を進めてきました。市役所前での座りこみや、市中パレードなどに取り組み、三月議会中には十万二千を超える署名が提出されました。

 同産院で生まれた一歳半の子どもを抱え、廃止反対を訴えてきた女性(36)は「存続はすなおにうれしい。これからも、母親の間で支援の輪を広げ、もっともっとすばらしい産院にしていきたい」と話します。

 難産で他の病院から救急車で同産院に運ばれて無事出産した女性(24)は「産院の先生には冷静に対応してもらえて、自然分娩(ぶんべん)できた。母乳保育で子どもも元気に育っている。二年といわず、後世に残し、熊本市を日本一子育てしやすいまちにしてほしい」とよろこんでいました。

 日本共産党の益田牧子市議団長は「産院の五十五年の歴史と、お母さんらのがんばりが十万の署名を実現させた。今後、施設や支援態勢の充実のため全力をあげたい」と語っています。

 廃止条例は昨年十二月に提案され市民の反対が広がる中、継続審議となりました。しかし、十万人を越える署名が寄せられる中で、三十八床を二十八床として存続させ、二年後をめどに「総合的な検討をする」との委員会での付帯決議がつけられた修正案が出され可決されたものです。


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