2006年3月17日(金)「しんぶん赤旗」

「日の丸・君が代」強制を批判したら

PTA会長辞任とは

東京弁護士会 「人権侵害」と警告


 東京都の小学校の入学式あいさつで「日の丸・君が代」の強制に批判的な考えを述べた男性が、PTA会長を辞任に追いこまれた問題で、東京弁護士会はこのほど、当時の校長と教頭による人権侵害行為があったとして、二人に警告を出しました。男性は「主張が認められてうれしい。都教育委員会は強制をやめるべきです」と語っています。(高間史人)


東京・中野区 高橋 聡さん語る

 この男性は中野区のピアニスト、高橋聡さん(37)。子どもが通う区立小学校の二〇〇四年度のPTA会長に選ばれ、同年四月に開かれた入学式であいさつしました。

 あいさつの最後に都教委が「君が代」斉唱時に不起立だった教職員を大量に処分した問題にふれ、「このような押し付けから本校が無縁であること、本校の子どもたちが将来にわたっても内心の自由を傷つけられるような事態にならないことを心から願います」とのべました。

校長と教頭が

 これにたいし当時の校長が「学校方針に反することを公の場で発言するべきではない」と高橋さんに注意。ほかのPTA役員から会長の辞任を求める意見が出され、高橋さんはいったん辞意を校長に伝えましたが、あとで撤回しました。

 校長は撤回を認めず、地域住民らでつくる学校評議員会に高橋さんが出るよう求めました。学校評議員会に出席した高橋さんに、教頭がほかの評議員らとともに強く辞任を迫りました。教頭は「ほかの役員が一緒にやっていけないといったら辞めますか」と発言。高橋さんが「辞めざるを得ない」と答えると、別室にいたほかのPTA役員を呼び入れ、一人ひとりに発言させました。全員が一緒にやれないと答えたため、高橋さんは辞任を表明せざるをえなくなりました。校長がその場で辞表を書くよう求め、高橋さんはやむなく辞表を書いたといいます。

救済申し立て

 高橋さんは昨年二月、東京弁護士会に人権救済を申し立てました。東京弁護士会は調査のすえ今年二月二十八日付で、当時の校長と教頭の行為は人権侵害行為だとする警告を出しました。

 警告は、校長・教頭の行為は「自主独立であるべきPTAの活動に対する干渉であるのみならず、申立人の意思決定の自由を奪うもの」「多様な意見のありうる日の丸掲揚・君が代斉唱問題についての申立人の意見表明に対する事実上の圧力」だと指摘し、憲法が保障する人権を侵害したと結論付けています。

 高橋さんは「法律の専門家に私の主張が認められてとてもうれしい。生徒が立たないと教師を処分するなど、都教委の押しつけはますますひどくなっていて、異常だと思います。一人でも多くの人がおかしいと声をあげてほしい」と語りました。今後、謝罪を求めて当時の校長と教頭、区教委に要請書を提出することにしています。

 警告が出たことについて当時の校長は「コメントすることはない」としています。また、当時の教頭は「(会長を)やめるよう強要したことはない。高橋さんが自主的にやめたと考えている」とのべています。中野区教育委員会指導室は「高橋さんと校長の双方から話をきいたが、事実のとらえ方に違いがある。区教委としては弁護士会が指摘したような人権侵害があったとは考えていない」としています。


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