2006年3月17日(金)「しんぶん赤旗」

水の安定供給

“自治体・住民共同で”

NGO 世界の経験交流

メキシコ


 【メキシコ市=松島良尚】当地で十六日から開催される第四回世界水フォーラム(WWF)に先立って、十五日に非政府機関(NGO)などによるシンポジウム「水の公共的供給の改善」が行われました。公営水道事業の関係者や学者、NGO代表ら約百五十人が参加しました。

 シンポジウムを主催したのは、メキシコのNGO連合体「水の権利を求めるメキシコ組織連合」(COMDA)。水道事業の民営化をめぐる問題が大きくなる中、政府や自治体と住民が共同で安定的に水道事業を運営している世界各地の経験を交流するのが目的です。

 一方、世界水フォーラムは、各国政府が主導して一九九六年に設立された世界水会議(WWC)が主催します。

 COMDA責任者のカンペーロさんは、世界水フォーラムが水問題の解決をさぐるといいながら水道事業への民間資本導入を強調しているのに対し、自分たちは社会的な代案を提起していくと述べています。

 「成功した水供給の公共モデル」をテーマとする会議では、ブラジルの「市営サービス全国連盟(ASSEMAE)」のメンバーが、市民の会計監査のもとで自治体が特別基金を創設し、大学から寄贈された土地に下水設備を建設している例などを報告しました。

 アルゼンチンの衛生事業労働組合員は、民間企業に補償金を払って水道事業を公共に戻した経験を紹介しました。労組の監視のもとに、水道料金を事業に再投資しながら値上げせずに安定的に運営しているといいます。

 COMDAらは、世界水フォーラムと並行して、デモ行進や「水を守る国際フォーラム」を行う予定です。


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