2006年3月15日(水)「しんぶん赤旗」

日中関係改善で3提案

中国首相 靖国参拝改めて批判


 【北京=菊池敏也】中国の温家宝首相は十四日、第十期全国人民代表大会(全人代)第四回会議の閉幕後に開かれた記者会見で、「多くの困難」に直面している日中関係について、その原因は「中国側にも日本人民にもなく、日本の指導者にある」と指摘しました。その上で、「A級戦犯をまつる靖国神社に何度も参拝し、中国人民およびアジア人民の感情をひどく傷つけた」と小泉首相を改めて批判しました。

 温首相は、「この問題が解決しなければ、中日関係の順調な発展は難しい」と述べました。

 温首相はまた、これからも対日関係を発展させる外交方針を堅持すると表明。「歴史をかがみに未来へ向かう」立場と日中間の三つの政治文書(一九七二年の日中共同声明、一九七八年の日中平和友好条約、一九九八年の日中共同宣言)の原則を守る必要性を重ねて強調しました。

 その上で、日中関係をさらに発展させるために、(1)引き続き政府間の戦略対話を進め、中日関係の障害を取り除く(2)民間交流を強化し、理解と信頼を増進する(3)経済貿易関係を安定的に発展させ、互恵・ともに勝利者となる協力を拡大する―の三点を提案しました。

 温首相は、インドとの関係にもふれ、中印が「平和と繁栄に向けた戦略的パートナーシップ」を確立して「新しい歴史的段階に入った」と高く評価。中国とインドが強大になり、自らの精神・姿を示せるようになった時、「真のアジアの世紀の到来だ」と述べました。


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